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「イチローに興味ない」発言をNHKで晒された林修先生の受難

クレーマーも、撤回・謝罪するほうも、気味が悪い

 もう一点は、発言を撤回する側の問題だ。林先生自身が「憲法上で保障されている内心の自由」だと言っておきながら、いとも簡単に取り下げてしまった。  確かにクレーマーはうっとうしいだろう。しかし、だからといって自らの言葉をなかったものにしてしまうことは、憲法上の権利よりもクレーマーの存在の方が重たいと認めてしまうことにはならないだろうか。
林修ブログ

林修先生オフィシャルブログ https://ameblo.jp/itsuyaruka/

 少し前にも似たケースがあった。フィギュアスケートの羽生結弦選手(23)の言動が「苦手だ」と書いた映画監督の福田雄一氏(46)が、その後「苦手という言葉はどうか撤回させてください」と謝罪してしまったのだ。  これも演出のプロから見て羽生選手の振る舞いが「恥ずかしい」と感じただけの話なのだから、悪口でも誹謗中傷でも人格攻撃でもない。ただの批評である。表現者であるならば、積極的に守っていかなければならない権利である。  林先生や福田監督には大変申し訳ないけれども、撤回するぐらいなら最初から言うなと言いたい。権利をおびやかしているのはクレーマーではなく、すぐに尻尾を巻いて逃げ出す発言者の方なのだ。  というわけで、筆者もイチロー選手や羽生選手については、林先生や福田監督と同意見であることを明らかにしておこうと思う。<TEXT/石黒隆之>
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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