入社1か月で辞めたモンスター新人の言い分「耐えることに何の意味がある?」
同じように新卒で関西地方の通信インフラ企業に就職し、GW明けに会社を辞めた丸田さん(仮名・女)は、日本の新卒採用プロセスに疑問を呈す。
「金髪を黒に染め、ミニスカを脱いでみんなが同じスーツを着て一斉に就活する……。これって日本とか韓国だけらしいんですけどキモくないですか? 私は英語が出来るので、海外で活躍できる部署を志望していたし、採用面接でも『そういう現場で活躍して』と言われた。なのに配属は法務部。上司は『いろんな部署を知っておいたほうがいい』とも言っていましたが、それは死ぬまでこの会社にいるならそうでしょう。私はそうではない」
確かに日本では、一括採用された後は、自身がどんな部署に配属され、どのような仕事をしなければならないのか、ベールに包まれている。よほどの専門的知識、技術を身に着けている場合を除けば、学生は会社に決められた部署で、言われたことをやらされる。もちろん、そんな専門的知識や技術を持ち合わせている学生のほうが少ないわけだから、新社会人は当面のところ“会社の歯車”にならざるを得ない。
東京都内の大手マスコミ人事担当者も言う。
「30年ほど前のバブルの頃に似ています。当時は内定者を囲うために小遣いをあげたり飲みに連れて行ったりしていましたが、今はそういうことはできないですよね。優秀な人材は各社の取り合いです。学生たちに選んでもらわなければならない。
我々も腐心していますが、当時と違うのは、昔ほど新人に給与を支払えないということ。そうであれば……と、学生の皆さんは“やりたいこと”ができる環境を望んでいる気がします。なのに会社側はわかっていない、ということは確かにある。採用プロセスも含めて、いま大きく変わりつつあると思います」
すぐ辞める新入社員たちに「我慢が足りない」といったところで、彼らには何も響かないし、「耐えることに何の意味があるのか」ということなのだろう。もちろん、「すぐに辞めては会社に迷惑がかかる」「世間体が悪い」などの、従来型の感覚で仕事に励んでいる若者たちも大勢いるのだが。
今後は人材不足・若者不足がより顕著になっていくなかで、企業側や社会が学生たちの感覚に寄り添わなければ辞められてしまう……ということだろうか。<取材・文/森原ドンタコス>
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