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その体調不良の原因は[男性ホルモンの減少]かもしれない!?

「最近なんだか疲れが抜けない」「イライラしやすくて、集中が続かない」「何をするにも全然意欲が湧かない」……中年期に差し掛かり、いろんな不調を感じつつも、「年のせい」と割り切っている読者諸兄が多いかもしれない。だが、そんな体調の変化を加齢のせいと納得してしまうのはあまりに早計だ。 男性ホルモン「原因不明の体調不調を訴える中年男性は、その原因として『男性ホルモンの減少』の可能性を考慮すべきです。『男性ホルモン低下=精力減退』をイメージする方が多いのですが、男性ホルモンは性機能だけでなく、体や精神にも重要な役割を担っています。加齢に伴うホルモン低下により、男性にも女性と同様にだるさ、ほてり、動悸、意欲低下、抑うつなどの更年期症状が表れることがあります」  そう語るのは、都内最大級のメンズヘルス外来を持つメンズヘルスクリニック東京の小山太郎氏。では、男性ホルモンの低下により、果たしてどんな症状が引き起こされてしまうのか。 「一般的に『男性ホルモン』と呼ばれるテストステロンには、さまざまな働きがあります。骨や筋肉を作る働き、血管をしなやかに保つ働き、脳に働きかけて競争心や社会性を高める働きなどです。男性ホルモン低下は筋力低下、肥満や生活習慣病の誘引、無気力感、イライラ、集中力の低下、うつ症状などにもつながります」  精力減退などのわかりやすい症状の場合は、男性ホルモンの低下を疑う人も多いが、特に注意したいのが「やる気が出ない」「仕事をしたくない」などの精神的な不調を感じたケース。男性更年期治療でも著名なマイシティクリニック院長の平澤精一氏は次のように指摘する。 「注意すべきは、精神科では男性更年期障害の検査をする医療機関はまだ少ないため、実際には男性ホルモン低下による抑うつ状態を『うつ病』だと診断されてしまうことです。そうなると、うつ病治療のため処方される薬の一部のものは一層、男性ホルモンを低下させ、症状が悪化するケースもあります。実際、精神科ではよくならないため、すがる思いでメンズヘルス外来にきて、検査をしてみると、男性ホルモンの低下が原因だったという患者さんも珍しくありません」  さらに恐ろしいのが、男性ホルモンが低下しているにもかかわらず、自覚していないパターン。精神科医の和田秀樹氏は、そのリスクについてこう指摘する。 「男性ホルモンが低下すると前頭葉の老化や感情の劣化、疲労感なども起こるため、実生活においても自然と行動力や自信が失われていきます。その結果、無意識のうちに内向的になり、外部からの刺激を受けなくなることで、さらに男性ホルモンの低下に拍車がかかるという負のスパイラルに陥り、症状がどんどん悪化してしまうというケースもあります」 <取材・文/週刊SPA!編集部、イラスト/大ハシ正ヤ> ― 体調不良の原因は[男性ホルモンの減少]にあった! ―
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