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男性ホルモンの少ない男が増加。その理由とは?

「最近なんだか疲れが抜けない」「イライラしやすくて、集中が続かない」「何をするにも全然意欲が湧かない」……中年期に差し掛かり、いろんな不調を感じつつも、「年のせい」と割り切っている諸兄が多いかもしれない。だが、原因不明の体調不良は『男性ホルモンの減少』の可能性があるのだという。 男性ホルモンの減少

中年男性の6人に1人がすぐに加療が必要な状態

 体調や精神面に密接な関係がある男性ホルモンだが、もちろん我々の下半身にも影響を及ぼしている。泌尿器科医の平澤精一氏は生殖能力との因果関係を指摘する。 「男性ホルモンは精子を作る機能に大きく関わっていますが、以前は精液1ccあたりの精子数の平均は約6000万個だったものが、現代の日本人男性の平均は1ccあたり約2000万個ともいわれ、3分の1以下に。以前は『1ccあたり精子が4000万個以下だと、妊娠しづらい』といわれていた時期もあっただけに、少子化にはこの男性ホルモンの低下も強く影響していると考えられます」  実際、「潜在的な患者も含めると、中年男性のうち、約6人に1人がこうした男性更年期の症状に陥っていると考えられていますが、その自覚があるのはほんの一握り」(日本抗加齢医学会専門医の小山太郎氏)との指摘もある。なぜこうも事態は深刻化しているのか。代官山パークサイドクリニック院長の岡宮裕氏がその原因を明かす。 「男性ホルモンの低下にはさまざまな要因がありますが、なかでも一番ダメージが大きいのがストレスです。ストレス社会と言われて久しいですが、その影響か、40歳前後で突然、男性ホルモンが低下する人も珍しくありません。『自分はまだ大丈夫』と我慢して、放置し続けていたら、実は更年期障害だったという患者さんも多いです」
男性ホルモンの減少

男性ホルモン値は一般的に「遊離型テストステロン」の測定をもって行われる。グラフのとおり、その平均値は20歳以降、ずっと低下。全測定値の95.4%をカバーする範囲を示す「X bar+2SD」「Xbar−2SD」も、年を重ねるごとに低くなっていることがわかる

 そもそも男性ホルモンは20歳前後をピークに、年齢とともにゆるやかに低下していく。従来は、50代くらいから更年期症状が出てくるとされていたが、最近は30~40代でも男性ホルモンが低下する若年性男性更年期障害も増えているそうだ。
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現代の社会構造の変化が影響か
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