日本のヘヴィメタル・バンドについて
山野「日本のヘヴィメタルで、好きなバンドはありますか?」
エッディ「LOUDNESS! それとCONCERTO MOONが良いです」
山野「うは、CONCERTO MOONをご存知なんですね」
※CONCERTO MOONは、様式美メタル・バンド。メジャーデビュー前に『宇宙戦艦ヤマト』のトリビュートミニアルバム『鋼鉄組曲 – 宇宙より愛をこめて』を発表している。
山野「X JAPANやBABYMETALはいかがですか?」
エッディ「イタリアではX JAPANの音楽はあまり見つけられなかったので、彼らの曲は、5~6曲しか知りません。しかし、どれも素晴らしいと思いました。BABYMETALは、私にとって普通のヘヴィメタルではありません。そもそも私は、今のメタルよりも昔のメタルが好きです。Led Zeppelin、Black Sabbathなどのようなヴォーカルとギター、ベース、ドラム、そして時々キーボードであってほしい。
去年、BABYMETALは、METALLICAやGUNS’N’ROSESとたくさんライブをしました。だけどBABYMETALは、METALLICAやGUNS’N’ROSESとは全然違う。だから、良いか悪いかは言えません」
山野「ANTHEMはわかりますか?」
エッディ「わかります。良いバンドだと思います。だけど当時、日本の音楽は、ヨーロッパにはあまり輸入されていませんでした。LOUDNESSですら入手することは難しかった。しかし今は、インターネットの時代だから、何でも買えます。それに、どこでコンサートがあるかもわかります。飛行機のチケット買って、どこにでもコンサートを観に行くことができます」
山野「インターネット環境以前は、まったくわかりませんでしたからね」
SKYLARKの新曲を含む新録音セルフ・カヴァー・アルバム『全部』(2010年)
山野「日本では、『スカイラーク全部』という言葉が大流行しました。ご存知ですか?」
エッディ「『スカイラーク全部』知っています! インターネットの言葉ですね」
山野「ええ、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で流行りました」
エッディ「その言葉は、2000年ぐらいに有名になったようだけど、当時は日本語を話せなかったので、知りませんでした」
山野「では、いつ頃知ったのですか?」
エッディ「2005~2006年頃です。教えてもらいました」
山野「日本のファンからですか?」
エッディ「はい。だけど、『スカイラーク全部』という言葉の意味はわからなかった」
山野「そうですよね。当時、2ちゃんねるに常駐していたメタラーの間で、メロディックスピードメタルでもっともオススメのバンドが、SKYLARKだったんです。布教にあたり、HR/HM板のいたるスレッドで『スカイラーク全部』という言葉が吹き荒れたんです。どんなお気持ちでした?」
エッディ「多くの人が、SKYLARKについて、良い、悪い、楽しい、好き、好きじゃないなど、さまざまに語ることについては素晴らしいと思います」
山野「SKYLARKのファンとオタクなメタラーは、非常に重なっていると思われます。ところでオタクは、日本ではバカにされやすい空気がありますが、海外ではどのような認識でしょうか?」
エッディ「日本では、アニメはオタクのためとのイメージがあるようです。だけどイタリアでは、みんなアニメが大好きです。男の子、女の子、子どもから60歳の大人まで。日本にも、普通の人でアニメ好きもいると思います。オタクという言葉が、“楽しい”というイメージで使われるのであれば良いのだけど、悪い意味で使われるとすれば、それはその人の持つイメージがちょっと危ないことだと思います。わかりますか?」
山野「はい、僕もまったく同感です」