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北海道地震の大停電で強盗事件も…ブラックアウトの恐怖

なぜ295万戸も停電したのか

 最も多くの被害者を出した厚真町には北海道電力最大の苫東厚真火力発電所がある。同発電所が地震の影響で運転停止に陥った結果、電力需給のバランスが崩れて、他の発電所も連鎖的にダウンしたという。大阪電気通信大学電気電子工学科教授の伊與田功氏が解説する。 「火力発電はお湯を沸かして、その蒸気の力でタービンを回転させて電力を発生させる仕組み。この発動機の回転数が電気の周波数に当たります。ところが、道内の50%の電力を供給する苫東厚真がストップしたことによって、稼働していたほかの3か所の火力発電所にしわ寄せが行き、電力需給が崩れて発動機の回転数が乱れてしまった。通常ならほかの供給量を増やして対応できるのですが、今回はカバーできる量を超えていたんです。その結果、周波数の乱れは機器の故障に繫がるため、ほかの発電所も自動停止。295万戸という道内の大半が停電する事態に発展したのです」

暗闇で強盗事件も…ブラックアウトの恐怖

 突如襲ったブラックアウトの恐怖は想像以上だったという。札幌市在住の20代男性が話す。 「ケータイ基地局の非常用電源があと何時間でなくなる、浄水場の自家発電が故障して断水になる、など真偽不明の情報が錯綜してもバッテリー切れが心配で確かめようがない。夜は真っ暗だから寝るほかないんですけど、生活音がないせいか、遠くの救急車のサイレン音がやけに耳につく。7日の夕方に電気が復旧してからニュースをチェックしていたら、地震発生直後の深夜に暗闇に紛れて強盗事件が起きていたことを初めて知って、本当に怖くなりました」  被災者が口ぐちに話していたのは、「失って初めて電気の大切さを知った」ということ。すでにほぼ道内全域で電気は復旧しているが、綱渡りの電力需給が続いているだけに、計画停電を実施する可能性も浮上。北海道が本来の活気を取り戻すには、まだまだ時間がかかりそうだ……。<取材・文/日刊SPA!取材班> ※週刊SPA!9月18・25日合併号「今週の顔」より
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表紙の人/中条あやみ

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