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「ワインは好きじゃない!」と思い込んでいる人のためのワイン入門

間違えが起こりにくいオススメのワインの頼み方は?

 では、ワインの美味しさを体感し、次から自分で注文するようになったときのために、まずは基本をおさらいしておきましょう。本来は好きなものを好きなタイミングで自由に飲めばいいのですが、あえて今回はオススメのパターンを紹介します。  まず色も味も淡いものからはじめ、順に濃いものを飲むようにしましょう。やはり、濃いものの後には淡いものの色や香りを判別するのが難しくなってしまいます。コース料理も基本、そのパターンになっていることが多いので、間違えが起こりにくいとも言えます。  最初はスパークリングワインで乾杯し、すっきりとした白ワインから、複雑な白ワイン。赤ワインはライト・ミディアムボディからフルボディへと進むとよいでしょう。通常、1本のワインは通常750ミリリットルです。ワインはグラスに100ミリリットル前後を注ぐので、7杯前後取れる計算になります。4人で飲むとちょうどいい感じでしょう。ちなみに、国産のワインは720ミリリットル瓶をよくみかけます。これは日本酒の測り方が元になっており、4合ボトルを使ったためです。

お手頃価格のワインを買って、友達の家などで楽しむのもありです。たくさん飲んでも安く抑えられます

イタリア、フランス、チリ…最低限ワインで覚えるべきは生産国

 次に味わい方ですが、心をオープンにしてワインの味を余すところなく感じてください。甘いのが飲みたいと思っていると酸味が気になりますし、華やかな感じを楽しみにしていればタンニンの渋みが気になります。しかし、酸味もタンニンも美味しさを構成する重要な要素なのです。そのうえで、たくさん飲んで食べて楽しんで、自分の好みを探していくのです。  その際、ワインの生産国とブドウの品種をチェックしましょう。ウイスキーと違って、銘柄や生産者を聞いても一期一会になってしまう可能性が高いからです。有名どころのワインでも、他の店で同じボトルに出会える可能性は高くありません。できれば「生産国のどこの地方か」まで絞り込めると、好みのワインに当たる可能性が高まります。  ワインをたくさん作っている国としては、イタリア、フランス、スペイン、アメリカ、オーストラリアが定番です。チリやアルゼンチン、南アフリカ、ニュージーランドなども人気ですね。  ブドウ品種も覚えたいところですが、本格的にワインを勉強しようとしている人は、ここで心が折れることがあります。世界中で数千種類ものブドウからワインが作られており、覚えきれるものではないためです。さらに、複数のブドウをブレンドするアッサンブラージュも行われます。それでも、利用するブドウでワインの味は大きく変わるので押さえておかなければなりません。ブドウに関してはまた別の回でご紹介します。

国や地域、ブドウ品種はラベルに記載されていることがあります。わからなければお店の人に聞いてもいいでしょう。写真の場合は、アルゼンチンのメンドーサ地方のワインで、ブドウはカベルネ・ソーヴィニヨンです

 あと、ワインデビューを果たすなら、好きなレストランでメニューに合うワインをオススメしてもらい、4人くらいの仲間で楽しく飲み食いしましょう。そして、ワインが気に入ったなら、国とできれば地域、そしてブドウの種類を覚え、次回以降のワイン選びの参考にするのです。  スマホでラベルを撮影しておくのもありです。2年や3年飲みまくったとしても、ワインを極めるなんてできません。とにかく、気の合う仲間と色々なワインを飲むことをオススメします。人生が少し楽しくなること請け合いです。 <文/柳谷智宣>
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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