更新日:2018年09月12日 14:37
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超高級酒の空き瓶がオークションサイトやフリマアプリで高値で売られている理由

― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第14回 ―  サントリーのブレンデッドモルト「響」。なかでも最高峰となる30年ものは、数量限定商品で最低30年以上寝かせたモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしています。30面カットのクリスタルボトルは高級感があり、希望小売価格は12万5000円となっています。

1杯6500円だったにもかかわらず原価BARで大人気だった「響30年」

 香りは長熟感のある優しい印象で、樽由来のバニラはもちろん、甘やかなフルーティーさも感じます。味わいも濃厚で、ブレンデットとは思えない深みがあります。山崎25年を超え、山崎50年に至る途中の雰囲気も感じました。相当贅沢な原酒を使っているものと思われます。筆者の経営する原価BARでは1杯6500円でしたが、争奪戦のように売り切れました。  今ではジャパニーズウイスキーブームのため、プレミア価格が付くようになった「響30年」。流通価格は、まず希望小売価格そのもになり、20万円、30万円と上昇。現在はオークションサイトに40万~45万円で出品されています。

詐欺師が高額なお酒に目をつける2つの理由

 これだけの高価格帯商品だと、詐欺のネタにも使われてしまいます。8月21日、三重県警に男性2人が逮捕されました。「響30年」の偽物をフリマアプリで販売したためです。彼らは1本19万~20万円の価格で、4回にわけて5本を販売しました。すべて売れて、合計99万円を騙し取ったとのことですが、実は、この手の詐欺は昔からありました。  まず「響30年」だけでなく、1本20万円、30万円するウイスキーやブランデーはたくさんありますが、これらの空き瓶が、オークションサイトやフリマアプリで売られています。なぜでしょうか? 「手が届かないから空き瓶だけでも記念に欲しい」というのであれば、1000円くらいのオブジェとして買うのは理解できます。しかし、実際ははるかに高い金額で取引されているのです。

オークションサイトで取引されている「響30年」の空き瓶

 原価BARでは、30万円前後する「レミーマルタン・ルイ13世」や「ヘネシー・リシャール」といった商品も扱っていますが、昔はこれらの空き瓶は5万円で売れると言われていました。現在の相場は2万円前後になっているようです。現在もフリマアプリでは、「響30年」の空き瓶は9000~3万5000円といった価格で取引が成立しています。
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この詐欺がなくならない理由は2つ
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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