ファミマってチキン商品がやたら多くない?その真相を探ってみた
突然だが、ファミリーマートを訪れて「やたらとチキン商品が多い」と感じたことはないだろうか? カウンターにはファミチキ数種、焼き鳥数種、お惣菜コーナーにも人気のサラダチキンからチキンステーキ、バターチキンカレーとチキンまみれ……。
周囲の友人や担当編集にも聞いてみたが、「そう思ってました!」との声が多数。これはもう、なぜ「ファミマはチキン推し」なのかが気になってくる。
そこで、さっそく広報に電話してみた。しかし、「チキンが多い……ですか? 特に意識はしておりませんし、他のコンビニと比べて多いとも感じておりません」という素っ気ない返事が返ってきた。なん……だと!?
確かにサラダチキン4種はセブンイレブンと同じ。フライドチキン商品はローソンにもある。……しかしそれでは気が済まない。なぜ我々は、ファミマに限ってチキンが多いと感じたのだろうか。きっと理由があるに違いない。
コンビニ連載や業界関連の著書が多数ある“コンビニジャーナリスト”の吉岡秀子さんにも聞いてみた。
「私は特にファミマだけにチキン商品が多いとはまったく思いません。でもファミマ=チキンの印象が強いのは、ギネスに載ったり、ハロウィンに参加したりと、“ファミチキ先輩”の露出度が高いことが理由のひとつかもしれないですね。香取慎吾さんがファミマの入店音に合わせて『ファミマの焼きとり、すげーうまい』と歌ったCMも大ヒットしました」
なるほど、こういう宣伝効果でファミマ=チキンのイメージが強くなったのか。それではコンビニ全体がキチン推しということなのだろうか?
「酉年にちなんで……というわけではないと思いますが、2017年から『焼きとり』がコンビニチキンの定番になって、以前から強いチキンメニューがよりパワーアップした感があります。また、私は女性やシニアなどの消費者が増えたおかげで、コンビニチキンに『おやつ』だけでなく『おつまみ』や『おかず』のニーズが増えたためとみています。現に、家庭でなかなか手作りできない『焼きとり』は、男性だけでなく、旦那さんのおつまみ需要で主婦に人気です」
そもそも、なぜコンビニではチキンが売れるのだろうか?
「昨今の“糖質ダイエットブーム”の波にのったところもありますね。良質なたんぱく源であるチキンに注目する人がグッと増えました。セブン-イレブンが最初に出した『サラダチキン』が、よりコンビニチキンブームに拍車をかけた気がします。それにおかずの定番でもあるからあげが1個から買える利便性もいいですね。スーパーの揚げ物だと5~6個セットになっており、単身や2人世帯は買いにくいものです。一方で、コンビニだとからあげでも1個から買えて経済的。高齢化、有職女性の増加で、最近は家庭で揚げ物をあまりしないようです。特に忙しい平日には需要が高くなる。よって、近所のコンビニでフライドチキンやからあげを買おうという人が増えたのではないでしょうか」
吉岡さんによると、糖質ダイエットブームをはじめ、高齢化や有職女性の増加など、さまざまな背景があるようだ。
ファミマにチキン商品が多いと感じる理由
コンビニジャーナリストに聞いてみたところ…
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ライター・編集、少女マンガ研究家。スタッフ全員が何らかの障害を持つ会社「合同会社ブラインドライターズ」代表。著書に著名人の戦争体験をまとめた『わたしたちもみんな子どもだった 戦争が日常だった私たちの体験記』(ハツガサ)などがある
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