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発達障害当事者が実践する「楽に生きるためのライフハック術」

 SPA!でも’18年に2度にわたり、大特集を展開した発達障害。その取材をきっかけに生まれた『発達障害グレーゾーン』(姫野桂著)も発売即重版となるなど、大きな反響を呼んでいる。第3弾となる今回は「発達障害という診断名がついていない人々」の苦悩を追った。 発達障害グレーゾーン

ベストセラー発達障害当事者が編み出した「究極の仕事術」

 発達障害当事者がその傾向と徹底的に向き合い、折り合うための実践的ライフハックをまとめた著書『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』が話題を呼んだ借金玉氏。氏は現在、スケジュールが常に把握できるようにベッドやデスクなどにタブレットを6台置いている。なかにはカレンダー専用で使っているタブレットもあるという。 「努力ではなく、カネで解決できることはカネで解決しましょう。とはいっても、それほど大金ではありません。例えば、中古のタブレットは、安いもので3000円程度。Wi-Fiさえあれば、一回入力した予定をスマホでも家や職場のどのタブレットでも確認できるので、予定をすっぽかして人の信頼を失う確率を下げられます」  起こりうることに徹底的に先回りすることを借金玉氏は勧める。 「僕たちは年に数回、間違えてスーツにスニーカーで出社してしまいます。だったら新たに革靴を買って、会社に置いておきましょう。これも3000円で買えます。落ち込む前に、そういうことをもっとやっていいんですよ、と」  日常のあらゆることを「“努力”で解決しようとしない」ことで生きやすくなるケースも多いと指摘。 「できるだけ自分はラクをして、“外部”で対処していく方向性がいいです。自責ほど無駄な時間はない。僕の感触では、発達障害はグレーゾーンの人を含めたら社会に4割ぐらいいるんじゃないかと。自責や努力をやたらと美徳とするような文化、もうやめません?」
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借金玉流(超)実践的ライフハック
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発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る

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