情弱高齢者を食い物にし続けた悪徳不動産業レオパレス21/古谷経衡
このような仕組みを知らず、漠然とした不動産知識しか持たない情弱の高齢者が営業マンの美辞麗句に騙されて破滅していく。最も悪質なのは、冒頭の建築基準法を度外視した欠陥住宅の存在だ。施工までもレオパレスがやる場合、当然家主には高額の見積もりを出しローンを組ませる。
しかし実際には突貫工事で、安く建てたアパートの実費との差額がレオパレスの懐に入る。家主は外見だけを見て立派なアパートが建ったと大喜びする。しかしその実態は欠陥だらけ、中抜きして重要な工程を省いた「仮設住宅に毛が生えたモノ」でしかなかったわけだ。
そもそも不動産経営を本気でやるなら、自分の土地を担保として建設費を捻出し、自分でアパートを建てて相場に見合った賃料で地元の不動産屋に仲介広告を出すのが王道だ。こういったことに知識がないか、または面倒くさいと考える人が、サブリース会社に連日群がってくる。被害者の会はレオパレスを「詐欺的」と断罪したが、私的にはもう「詐欺」でもいいんじゃないかと思っている。(ふるやつねひら)1982年生まれ。作家/評論家/令和政治社会問題研究所所長。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。20代後半からネトウヨ陣営の気鋭の論客として執筆活動を展開したが、やがて保守論壇のムラ体質や年功序列に愛想を尽かし、現在は距離を置いている。『愛国商売』(小学館)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮社)、『ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(晶文社)など、著書多数
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