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「景気回復なんてウソ」と叫ぶ「実質賃金厨」は頭が悪い/倉山満

 実質賃金とは、手取りの賃金を物価の変動率で修正した数字である。と言葉で言われてもよくわからないと思うので、数字で説明しよう。

 ある月の3人の給料である。

Aさん 28万円
Bさん 20万円
Cさん 0円(失業中)

 これが翌月、変化したとする。

Aさん 30万円
Bさん 22万円
Cさん 17万円(就活成功)

 さて、これで誰が困っているのか? AさんやBさんの支出が増えた時に、「実質賃金が下がった~」と言われたら、「世の中、景気がいいと言われるけど、実感がないな~」となるだろう。これが、「アベノミクスに実態が伴わない」との報道の実態である。

 ちなみに3人の賃金の合計、48万円から69万円に、21万円増えている。失業者が減ったのだから当たり前だ。さらに平均賃金は24万円から23万円に減っている。平均賃金は実質賃金とほぼ同じである。これをもって、「アベノミクスで実質賃金ガー」と叫ぶ人がいるが、そういう人たちは扇動だけするが、証明は何一つしない。

 お気づきだろうか。平均賃金を計算するとき、その時点での失業者は計算しない。失業者が就職に成功する時、既存の労働者より初任給は低いに決まっている。

 もちろん、いつまでも実質賃金が低いのは困るが、景気が回復軌道にある時に実質賃金は下がるのだ。

 野党もアベノミクスを攻撃したいのなら、「いつまで実質賃金が低いままなのだ? デフレを脱却していないのに消費増税をするからだろう! しかも再増税など、もっての外だ! 」と攻めるべきだ。実質賃金が下がること自体を攻めるなど、アジテーションにしかならない。

 なかには、経済学者・経済評論家を自称する人間が「実質賃金ガー」と絶叫しているので、信じた人もいるのかもしれない。しかし、その自称経済評論家諸氏、共産主義者ではないのかと思う。理由は三つある。

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3つの理由とは?

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嘘だらけの日独近現代史

世界大戦に二度も負けたのに、なぜドイツは立ち直れたのか?





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