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JR駅員が格付け「乗りたい/乗りたくない」特急列車。成田エクスプレスは?

踊り子号は存在意義が薄れている?

 一方、駅員の視点で個人的には「あまり乗りたくない」と感じる車両はどれか。

3位 『成田エクスプレス』

成田エクスプレス

成田エクスプレス

 3位に挙げたのは意外にも『成田エクスプレス』。国の玄関口である成田空港と都心を結ぶ欠かせない列車であるように思えるが、「あれは訪日外国人のための特急」と言い切る。 「一言でいえば料金が高い。外国人はジャパンレールパスという格安の乗り放題切符で乗車できますが、日本人だと東京~成田空港が片道3017円(※suicaなどIC乗車券使用時の運賃の場合)もかかります」  ちなみに同じ東京駅発でも日暮里で京成スカイライナーに乗り換えた場合は2619円で、格安バスなら八重洲口発着で片道1000円で行ける。 「ただし、コンセントが各座席に付いているほか、wifiも完備。会社の経費で運賃を気にせず乗車できるビジネスマンには使い勝手のいい列車です」

2位 上野と草津温泉の玄関口である長野原草津口を結ぶ『草津』

特急草津

画像:『あかぎ・草津651系』(JR東日本)

「沿線には温泉が多く、かつては観光客に人気の列車でした。ですが今は終点が万座・鹿沢口より手前の長野原草津口になり、万座温泉への鉄道のアクセスが不便になりました。ただし、この一帯の温泉地は駅から離れているところが多く、草津温泉も最寄り駅からバスで約25分かかります。そもそも新宿や渋谷などから運行しているため、直行バスのほうが乗り換えもなく便利です」

1位 首都圏と伊豆急下田、修善寺を結ぶ『踊り子』

 “あまり乗る価値がない特急列車”の1位に挙がったのは、首都圏と伊豆急下田、修善寺を結ぶ『踊り子』だ。
踊り子

画像:『踊り子185系』(JR東日本)

「都内から乗り換えなしで行ける利点はありますが、並行して新幹線が走っており、熱海や三島で乗り換えて向かう人も多い。つまり、同じJR同士で競合しているわけです。しかも、これに加えて東海道線は日中なら1時間に3本、東京から熱海行きの普通・快速列車が運行しています。2階建てのグリーン車が併設されていますし、上野新宿ラインの開通後は北関東から乗り入れるようになりました。名前はややこしいですが、眺望に優れた大きな窓が特徴の『スーパービュー踊り子号』ならともかく、午前中に数本出ているただの踊り子号の存在意義はもはや失われていると言わざるを得ません」  ただ特急といっても、列車によりさまざまな違いがあることがわかったはず。今後の旅行や出張の際の移動手段選びの参考にしてみては。<TEXT/トシタカマサ> 乗りたい1位 特急はこね(小田急/新宿~箱根湯本) 乗りたい2位 特急スペーシアけごん・きぬ(頭部/浅草~東武日光・鬼怒川温泉) 乗りたい3位 特急スーパーあずさ(JR/新宿・東京・千葉~松本・南小谷) 乗らない1位 特急踊り子(JR/東京~伊豆急下田・修善寺) 乗らない2位 特急草津(JR/上野~長野原草津口) 乗らない3位 特急成田エクスプレス (JR/新宿・池袋・大宮・横浜・大船・高尾・河口湖~成田空港) ― シリーズ・店員が語る本音 ―
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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