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200店舗閉店の「サブウェイ」と好調な「サイゼリヤ」、なにが違う?

「日本の消費者は『コスパ』に対して過剰なほどシビア。上から目線の客に右往左往している日本の飲食市場は、完全なレッドオーシャンです。店側にとっては、労働力の確保、サービスレベルの保持など難題だらけなのに、一部客の過剰な要求が常態化してしまっています」
外食産業市場規模

外食産業市場規模は、平成24年以降6年連続で前年を上回り、近年は外食需要が高まっている。絶滅危惧チェーン店も復活の兆しあるか!? 近年の微増は「中食産業の伸びや“すごもり消費時代“のテイクアウト型の飲食品も含まれているから」(平野氏)とのことだが……!? 資料提供:一般社団法人日本フードサービス協会

 そんな状況下で体力が尽き果てた店もあるなか、いまなお戦い続ける飲食チェーンには、生き残りに対して非常に高いビジョンが求められている。 「例えば好調を維持する『サイゼリヤ』は、安くあげたい人には廉価メニューを充実させる一方で、『上質なオリーブオイル使い放題』『一部店舗での高級ワイン提供』など、訪店動機の異なる顧客層にそれぞれ訴求できるサービスを充実させている。集客をしながら、客単価を上げる工夫を同時に行っています。  ほかにも硬質プラスチックのグラス導入でロスを減らすなど、さまざまな面で営業努力をしている。難しいことではありますが、こうした営業努力、考え続ける姿勢が客を呼ぶのだと思います」(松浦氏) <主な絶滅危惧チェーン店> ●サンテオレ  ’95年3月に100店舗突破→現在8店舗 ●東京チカラめし  ’12年には100店舗突破→現在8店舗 ●ドムドムハンバーガー  ’90年ごろ400店舗達成→現在31店舗 ●アンナミラーズ  ’90年ごろ最大20店舗→現在1店舗 <主な絶滅したチェーン店> ●イエスタデイ  すかいらーく系列ファミレスで’90年代に閉店 ●すかいらーく  39年の歴史に幕を閉じガストに転換 ●コロちゃんのコロッケ屋!  ’00年ごろ急激に拡大→自己破産 ●神戸らんぷ亭  ’93年設立→’15年に筆頭株主が代わり閉店 ●びっくりラーメン一番  1杯189円で大ヒット→民事再生法の適用を申請 ●牛丼太郎  ’12年に全店舗営業終了→1店舗が「丼太郎」に 【平野和之氏】 経済評論家。大学卒業後、流通業にて投資を行い、起業。’06年から経済評論家として講演・執筆活動を開始。『コンビニがなくなる日 どうなる?流通最終戦争』(主婦の友社刊)など著書多数 【松浦達也氏】 フードアクティビスト。食専門誌から新聞、雑誌、Webなどで、「調理の仕組みと科学」「食文化」「食から見た地方論」など幅広く執筆、編集を行う。著書に『新しい卵ドリル』(マガジンハウス刊)など多数 ― [絶滅危惧チェーン店]のいま ―
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