雑学

デリヘル嬢との恋路に、立ちはだかった戦国武将――patoの「おっさんは二度死ぬ」<第34話>

「告白とか書いてあったらどうしよう」


「ホテル ニュー〇ートの新規様☆」

 このホテルですか? とたずねると馬場さんは違うと首を振った。それでも一応、内容を読んでみた。

「すっごいイケメンでびっくりしました!
背も高くて爽やかでびっくり! マッチョだったし( *´艸`)
プレイの方もすごく上手で放心状態
ダメだよね
お仕事忘れちゃいました
また呼んでください
次回はリベンジでがんばります☆彡」

 本当にイケメンだったのか女の子のテンションがやや高い。それを感じとったのか、馬場さんの嫉妬の炎も高らかに燃え上がった。

「こういうのきついな、すっげえきついな。俺の女がイケメンになあ……」

 お前の女じゃねえよ、なにバカなこと言ってるんだ、と思いつつ、次のお礼日記を読む。

「自宅の新規様☆彡」

 これですか? とたずねると馬場さんは首を横に振った。

「自宅に呼ぶやつってかなりのツワモノだろ」

 そういうものらしい。馬場さんではないようだけど、嫉妬する馬場さんが面白いので内容も読み上げる。

「優しい人でした」

 それだけしか書かれていなかった。

「それだけ?」

 馬場さんが嬉しそうに身を乗り出す。

「はい、これだけです」

 それを聞いて何かを悟ったようにニッと笑った。

「そりゃブサイクだったか話が弾まなかったか、とにかく書くことがなかったんだな。ほかのお礼日記に比べてテンションが低すぎる。きっとパッとしないヤロウなんだろうよ。俺の女に手を出そうなんて十年早いよ」

 お前の女じゃねえよ、なにバカなこと言ってるんだ、と思いつつ、次のお礼日記を読む。

「ホテル キャメル〇ンの新規様☆彡」

 と口にした否や、

「俺だ、それ俺だ!」

 馬場さんがガタガタッと動き出した。動揺しすぎだろ。

「やべー、ドキドキしてきた。早く読んでくれ、早く読んでくれ。あー、98年の毎日王冠(GII)くらいドキドキする!」

 なんで急に競馬のこと言い出したのか全然分からないけど、とにかくドキドキするらしい。

「告白とか書いてあったらどうしよう」

 書いてねえよと、思いつつも、それでもある程度の尺度にはなるのではと思った。

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馬場さんの戦いは続くのだ。たぶん

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