仕事

建前だけの希望退職、事実上45歳以上はクビの実態

 時代の変わり目に合わせるかのごとく、企業の“人切り”が急速に進む昨今。その犠牲になろうとしているのが45歳以上の会社員たちだ。50歳を前に長年勤めた会社を追われた人たちは今、何を思うのか? 退職に至るまでの経緯と、当時の心境を当事者たちが振り返る――。 45歳以上はクビ!の恐怖

営業所の閉鎖により退職を強要される

[退職後悔度90%]須藤浩司さん(仮名・49歳) 前職の年収 620万円/退職金 2200万円/現在の年収 450万円 「建前上、私が希望退職を選んだことになっていますが、できれば定年まで働きたかった。けれど、会社はそれを許してくれなかったです」  そう語るのは、昨年、精密機器メーカーを辞めた須藤浩司さん。大学卒業後に入社した会社一筋で20年以上働いてきたが、45歳を迎えた年のある日、会社が早期退職者の募集を発表。その2週間後、営業所長から呼び出されたという。 「そこで私がいた営業所の閉鎖を知り、離れた別の営業所での勤務になる可能性が高いと告げられました。そのうえで『今なら特別退職金が上乗せされる』と暗に会社を辞めるように勧められました」  会社で働き続けるには家族で引っ越すか単身赴任しかなく、「死刑宣告も同然だった」と振り返る。 「ウチは同居する母親が要介護の状態で私たち夫婦のサポートが必要。少しでも可能性があるならと同僚たちと本社に営業所の存続を求めて嘆願書を出すことも考えましたが、営業所長から『決定が覆ることは絶対にない』と説得され、早期退職を受け入れました」  その後は求人サイトで見つけたビジネスホテルに転職。ただし、年収は450万円と前職から170万円も減ってしまった。

出るも地獄、残るも地獄の光景が…

「当時、45歳以上の正社員は私も含め、8割が早期退職を選びました。私の2200万円という退職金は、在職年数を考えれば悪くない額です。けれど、会社がやったのは営業所閉鎖に伴う事実上のクビ切り。なんとか会社に残った元同僚たちが、現在勤務する遠方の営業所にも閉鎖の噂があるそうです。  一方の退職組も求人に恵まれず、希望外の肉体労働やアルバイトをしている人が少なくありません。我が家は妻が減った収入を補うためにパートを始め、私が母の世話をする時間が増えました。夜勤明けの介護は体力的にキツいですが我慢するしかありません……」  早期退職を行った会社では、「出るも地獄、残るも地獄」という光景は珍しくないのだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部 モデル/カーリー> ― 45歳以上はクビ!の恐怖 ―
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