更新日:2023年03月28日 08:36
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「ジャマだジジイ!」ブラック再雇用の酷すぎる現状

 いま、定年後に、引き上げられた年金受給まで耐えられずに破産する「定年破産」が増えている。背景にあるのは役職定年や定年再雇用による賃金の低下、さらに晩婚化で住宅ローンや高い教育費が60歳をすぎても重くのしかかる。70歳まで普通に働いても、人生100年時代を乗り切ることはできないのか。世間の“普通”が揺らぐ!
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※写真はイメージです

賃金もバイト並み「ブラック再雇用」

 賃金が急降下する定年再雇用。「ご褒美再雇用は役員クラスの一握りのみ。中にはバイト並みに下げられることも……」と話すのは、社労士の平田純一氏だ。 「定年を迎えた人が“望めば”必ず65歳までは継続雇用するという制度で、契約賃金は会社に委ねられています。最低賃金並みの時給制で、社会保険や厚生年金の加入が不要になる週20時間以内労働という契約も。国から支給される高年齢雇用継続給付を加えても、月10万円程度の人もいます」  そんな賃金契約でも、すがりつきたいのが定年世代の本音。しかし、キツい業種もあるとも。 「顕著なのは建設業。やはり定年世代に高所作業、力仕事を任せるのは難しい。おまけに取引先からも『60歳以上は現場に出すな』という要求は多いそうです。体育会系の職種だけに、管理者から『使えねぇな。ジャマだジジイ!』と罵詈雑言を浴びせられることも。同様に接客業でも、老いたからと現場に立たせず、慣れない倉庫や事務作業をさせて、イジメながら退職に追い込むこともあります」  功労者をねぎらう余裕はない。 【平田純一氏】社会保険労務士 「いしまる事務所」代表。主に中小企業を担当する行政書士、社会保険労務士でありながら、総合格闘技のプロ選手としても活躍 ― 定年破産する人の共通点 ―
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