個性は人の上に立つことで簡単に磨かれる
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第113回
社会が成熟するにつれて、私たちは他の人にはない個性を求められるようになりました。一体どうすれば個性を持てるのか、本を読んだり、頭で考えたりしたことが誰しもあると思います。
しかし、ただ本を読んだり、頭で考えたりしているだけでは、個性を発揮できるようにはなりません。個性を発揮できるようになる一番手っ取り早い方法は人の上に立つことです。知識や思考はそのために活用することができます。
とあるスポーツ協会の事務局長だった男性は、自ら社団法人を設立して理事長になった時に、人の上に立つことの大切さを実感しました。事務局長だった時と理事長になった時で、やっていることは何も変わらないのに、周りの見る目が変化したのです。内容よりも肩書きに左右されてしまう。人間にはそういう側面があります。
自分の個性を認めてもらうには、その前にまず自分の存在を認識してもらわねばなりません。そして人の上に立っているのと、人の下についているのでは、周りの見る目はまったく変わってきます。それはライブで演奏するミュージシャンと、そのライブに集まった観衆との違いを想像すれば、一目瞭然です。
別の男性にこの話をしたところ、とても深く納得していただけました。彼はこれまで色々な団体に所属し、役職も任されていましたが、自分で組織を作ったことはなかったそうです。もちろん今日の明日で組織を作ることはできません。人の上に立つには、まず人を集める必要があります。そして、その人を集める段階で、ある程度の個性を自然と求められるようになります。
つまり、個性は人が集まる過程を通して磨かれるということです。私はこの度、書籍を出版することになりました。それが実現したのも、数年前からコミュニティを主宰するようなったからです。その時から、どんなに知識を蓄え、どんなに思考を繰り返しても変わらなかった私の人生は、みるみるうちに変わりはじめました。
人間関係が作り出す立場や印象は、私たちの想像以上に人生に影響しています。というよりも、昨今は知識や思考をあまりに重視しすぎることで、人間関係を軽視することが、さまざまな状況で阻害要因になっています。
もしあなたが「どれだけ勉強しても人生が変わらない」と悩んでいるのなら、一度自分の人間関係を確認してみて下さい。そして、もし「人の上に立つ関係」が一つもないのなら、仕事でもプライベートでもよいので自分で旗を掲げてみましょう。ネットが普及した現代では、それほど難しいことではありません。きっと人生が変わっていくきっかけになると思います。
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中『人生を変えるマインドレコーディング』 人はなぜ続けることができないのか? 続けるには「信念」が必要だ! |
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