カーライフ

世界に誇れるデザインのマツダ3に足りないものは何か?

VWゴルフよりマツダ3がリードしてるのは…

 でも、それ以外はイマイチでした。  まず、世界を震撼させるはずの期待の新エンジン「スカイアクティブX」は発売延期! 難解なのでメカの説明は割愛しますが、究極のガソリンエンジンになるはずのエースが、まだ投入されていない。
マツダ3

ゴルフもようやく2リッターディーゼルエンジン搭載モデルが日本で導入されましたが、その完成度の高さに驚きました。マツダ3が超えなくてはいけない壁はとても高いです

 エース以外のエンジンは、ほぼ以前のままだ。マツダと言えば、7年前に発表した革新的ディーゼルエンジン「スカイアクティブD」で世界を震撼させたが、7年間ほとんど進化がなく、あらゆる面で欧州のライバルに追い越されつつある。  今回試乗したのも、その1.8リッターディーゼル搭載モデルだが、旧態依然とした6速ATとの組み合わせで、加速感もフィーリングもあんまり冴えなかった。足回りも思ったほどは良くはなかった。マニア的な説明は割愛しますが、路面の継ぎ目でかなりハネるなど、乗り心地がいまひとつだ。
マツダ3

試乗したのは1.8リッターディーゼルエンジン搭載車。遮音が向上したのか、車内で聞く限りガラガラ音は減りました。1.5リッターガソリンエンジン搭載モデルのみ6MTをラインナップ

 7年前に登場して熟成の進んだVWゴルフに比べると(日本導入は6年前)、エンジンも足回りも、明らかに負けてましたあ! マツダ3がリードしてるのはカッコだけ!
VWゴルフ・ディーゼル

VWゴルフ・ディーゼル

 それに追い打ちをかけるのが、意外なほどの値段の高さだ。アクセラから30万円ほど値上げされたのはまだしも、12月に予定されているスカイアクティブX搭載車は、フツーの2リッターガソリン車より、なんと67万円も高くなる! オプション付けたら支払い総額400万円超え! ならBMW買いますわ……。  これじゃ、甲子園を沸かせた期待の若手が、まだ大した成績も残してないのに、契約更改でゴネまくっているみたいだ。オッサンたちの失望はさらに高まる。  それでもまあ、このデザインだけは世界に誇れます。いまのところは、それでヨシとしておきましょう。 【結論】  果たしてマツダ3は今後カーマニアの期待に応えてくれるのか? それとも未完の大器のまま終わるのか? 特にスカイアクティブXは、あまりの値段の高さゆえ、ほとんど売れずに超レア物で終わる危惧を抱いております。
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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