“17歳黒ギャル社長”のその後…覚せい剤と大麻で留置所に入っていた
@konomi_sama
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<取材・文/藤山ムツキ、撮影/長谷英史>ライター・編集者。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』(共に彩図社)など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ【最新版】』(辰巳出版)がある。Twitter:@gold_gogogo
当時のノートを見返して、感慨深そうな表情を見せるKONOMIさん。未来を見据え、留置所内でも美を保つための筋力トレーニングを続け、とにかく本をたくさん読んだ。読書の時間に本の内容をそのままノートに書き写すことは不可能だが、いったん頭のなかで覚えておき、手紙の時間で黙々と書いていた。彼女は根っからの経営者なのか、ただで転ぶつもりもなかった。今までの人生経験からより良い答えを導ける……。
「世の中はそんなに甘くないって心底痛感した。利益の関係で繋がっていた人たちは離れていったけど、落ちているときにいなくなった人は最初からいないものと思うようにした。でも、人と関わることの大体はベネフィットだからうまく調整していきたい。
自分で蒔いた種とはいえ、ハンデを背負っているわけだから、いろんな構想を形にできるようになるまで時間はかかるかもしれないけど、諦めたくない。普通は全て隠したい過去になるのかもしれないけど、あえて発信したい。そして、また大きくなって、いつか……私にしか語れない、私にしか伝えられない、普通とはかけ離れた体験を本にするのが今の夢ですね。ここで終わるのは絶対にない」
12月19日、300万円の保釈金を支払って留置所から出ると、すっかり季節は移り変わり、厳しい寒さを迎えていた。洋服は夏の薄着のまま、金髪は根本の部分が伸びきりプリンになっていた。スマートフォンの契約も切れている。空家賃など、多額の支払いもある。
今までずっと男といた。久々のひとりは、寂しさより、なんだか清々しくて気持ちよかった。
とはいえ、まわりからの信用を失い、せっかく作り上げた会社は振り出しに戻ってしまった。何から手をつけていいものか焦燥感を覚えたという。彼女は「私は大丈夫」と自分に言い聞かせた。弱さを見せたくない。ずっと笑っていた。しかし、心では泣いていた——。
あれから約1年、現在は六本木でガールズバーとシャンパンバーの二店舗を経営しているKONOMIさん。彼女の信念は「100を分散するより、1のパイを総取りする」。
「もう二度とあそこには戻りたくないですね。私は人生で大切なものほどシャブで失ってきました。でも、早いうちに捕まって良かったと思っています。この経験がなければ、今もやっている日々を送っていたはずです。そして、もっともっと大切なものを失っていたはずだから。今までの根拠のない『なんとかなる』という自信も、ひとりではそう簡単に通用しないとわかった。根が張っていない花は、来年には咲かなくなる。足元を固めて、着実に意味があるものだったと、人生を全肯定できるようにしていきます」
覚せい剤は再犯率が高いとも言われている。厚生労働省の調べによると、64.9%にのぼる(平成28年)。「世の中はそんなに甘くない」と自身も口にするが、留置所での生活が「意味があるものだった」と認められるよう、彼女が今後の人生で証明してくれることを願う。
●園田 好(そのだ・このみ)
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