仕事

「パワハラ上司は一発で退場」が実現した仕組み/アマゾン元幹部に聞く

その気になれば、組織は変えられる

――いいな、と思う面はたくさんあるのですが、正直、日本企業には馴染みにくいことも多いように思いました。 星:ガラリと変えるのは難しいと思います。でも、経営者が会社のカルチャーを変えたい、変わらなければという危機感を抱いていれば、やれることはあると思います。確かに、組織は揺らぐでしょうが、多少、揺らぎを起こさないと組織は変わらないのも事実です。 例えば360度評価の導入だって、それほど仕組みとして難しくないですし。 ――むしろ、すぐに何か変えないと!ですよね。 星:「日本はチマチマ病」と言いましたが、いまの日本企業って、目先のことに一生懸命で、時間がないからメカニズムやシステムに目が向けられていないと思うんです。ある程度、売上も利益も出ていたら、変化の必要も感じないかもしれません。しかし、それは従業員が朝から晩まで疲弊するほど働いているから、出ている結果だったりするわけです。  でも、たとえば、自動化を導入してみることで、疲れ切っている従業員がクリエイティブなことをできるようになる。人にしかできないことと自動化できるところを見直すと、ミスも少なくなりますし、結果、お客さんの満足度も高くなる。 一回、揺らぎが生じてでも、変化を起こしてみることは大切だと思います。 【インタビュー その1】⇒日本企業はなぜ没落したのか。“チマチマ病”という悪弊/アマゾン元幹部に聞く 【インタビュー その2】⇒「売上目標」だけを現場に押しつける上司がダメな理由/アマゾン元幹部に聞く 【星健一氏プロフィール】
星健一氏

星健一氏

1967年生まれ。JUKIおよびミスミで海外現地法人の社長などを務める。2008年アマゾンジャパンに入社、リーダーシップチームメンバーとなり、創世期~成長期の経営層として活躍。2018年アマゾン退社後は、kenhoshi & Companyを設立し、セミナー講師、コンサルティングを手掛ける。2020年2月、「オイシックス・ラ・大地」に入社、COOに就任。著書『amazonの絶対思考』 <取材・文/鈴木靖子>
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