テレワークはラブホですべし。仕事が異様にはかどる/古谷経衡
―[独りラブホ考現学]―
独りラブホ考現学/第17回
新型コロナ渦によってまたぞろテレワークというのが推奨されている。なんでもテレワークとは「遠く」で「働く」という意味らしい。それならば「遠隔地労働」という風に分かりやすく名付ければよろしい。何でも横文字にして実相を誤魔化そうとするのは東京都知事だけで結構である。
筆者は、今次の新型コロナ渦についてその将来を全く心配をしていない。人類の歴史とはすなわち感染症との闘いの歴史であった。その数多の感染症とパンデミックを乗り越えて私たちは今ここに立っているのである。歴史に聞けば、このような新型ウイルスの猛威は、私たち祖先が数千年の間、営々と繰り返してきた歴史的葛藤のトレースにすぎない。その「新しいタイプ」がたまたま、私たちが生きている時代にやってきた、という事である。
せいぜい、季節性インフルエンザの5倍~程度の致死率に何を狼狽するか。国土が回復不能に陥る原発事故の方がよほど恐怖である。それなのに日本社会は驚天動地の自粛ムード。学校も全部休むという。自然の脅威にはただ耐え忍ぶよりほかにない。何を右往左往するのか。ワクチンの開発まで泰然自若として待てないのか。どうも現代人はせっかちに過ぎる。滑稽なほどせっかちに過ぎる。
このせいで筆者も講演会がひとつ中止という塩梅になった。決定自体はまず妥当だと思うが、私の期待収入を返せと筆者は叫びたいのである。
自宅でテレワークは失敗する
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(ふるやつねひら)1982年生まれ。作家/評論家/令和政治社会問題研究所所長。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。20代後半からネトウヨ陣営の気鋭の論客として執筆活動を展開したが、やがて保守論壇のムラ体質や年功序列に愛想を尽かし、現在は距離を置いている。『愛国商売』(小学館)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮社)、『ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(晶文社)など、著書多数
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