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お店で恥ずかしい酒の頼み方「V.S.O.Pください」「ナポレオンください」の間違いとは…

 ブランデーのラベルに「VSOP」とか「XO」と書いてあるのを見たことがあるでしょうか。「NAPOLEON(ナポレオン)」と大きく書かれたボトルもあります。製品名のように大きく記載されることもありますが、これはブランド名ではありません。そのお酒の等級(ランク)を示しているのです。  基本的には、V.S.→V.S.O.P.→ナポレオン→X.O.という順番に等級が上がり、一般的に価格も美味しさも上がっていきます。フランスでは等級をラベルに記載するための条件が法律で決められています。しかし、コニャックとアルマニャック、カルヴァドスで違いがあるほか、熟成年数のカウントを日本の年度みたいに4月1日から数えたり、最近になって内容に変更があったりとやや難しくなっています。

高級ブランデーの代名詞、ヘネシーXOです

そもそもブランデーとはどんなお酒?

 まずはフランスのブランデーのおさらいです。世界3大ブランデーと言われるコニャックとアルマニャック、カルヴァドスはすべてフランス産です。コニャックはフランスのコニャック地方のワインから作られたブランデーで、アルマニャックは同じくフランスのアルマニャック地方で作られています。カルヴァドスはりんごが原料のブランデーで、ノルマンディー地方で作られています。  コニャックでは、熟成年数を「コント」という単位でカウントします。コニャックはその年に収穫したブドウから作られたワインを2回蒸留しますが、その蒸留は翌年3月31日までに行う必要があります。蒸留してできた原酒は樽に詰められ、4月1日からコント0としてカウントされます。その翌年の4月1日にはコント1になり、翌々年にはコント2になります。  このコント2になることで、はじめてコニャックとして販売することができるようになります。等級はこのコント数を元に名乗ることが許されます。スリースターやV.S.(Very Special)はコント2以上で、V.S.O.P.(Very Superior Old Pale)はコント4以上となります。「Pale」は「透き通った」という意味です。その上位のナポレオンはコント6以上、X.O.(Extra Old)はコント10以上です。  ちなみに、以前のX.O.はコント6以上でしたが、2018年4月1日以降の出荷分はコント10以上に引き上げられています。それに伴い、X.X.O.(Extra Extra Old)という等級も新設されました。こちらはコント14以上となり、すでにヘネシーから発売されています。  アルマニャックは等級の内容がやや異なります。コント1でもスリースターとして出荷でき、V.S.がコント2以上、V.O.(Very Old)やV.S.O.P.はコント4以上、ナポレオンはコント6以上、X.O.はコント10以上となっています。  カルヴァドスの等級はコント2でスリースター、V.S.、コント4でV.O.、V.S.O.P.、コント6でX.O.、ナポレオンとなっています。

ナポレオンの由来はナポレオン皇帝説ほか諸説あり!

 コントのカウントはブレンドしている原酒のうち、もっとも若いものの熟成年数を表します。コント6といっても、使っている原酒の平均熟成年数は10年を軽く超えていることが多いのです。そのため、あくまでランクの目安と考えればよいでしょう。  ちなみにナポレオンの由来は、あのフランス皇帝であるナポレオン・ボナパルトの長男が生まれた年のブドウが豊作だったためとか、単にナポレオンがブランデーを愛飲していたためなど諸説あります。だいたい、V.S.O.P.よりも上、X.O.よりも下というイメージです。

ナポレオンはブランデーの銘柄ではなく等級名です

 等級表記は最低のコント数を元にしており、ナポレオンと併記しているボトルもあります。例えば、V.S.O.P.とナポレオンを併記しているなら、ナポレオンの等級以上はあるということです。

表記が2つあるものもあります

 以上がブランデーの等級に関しての簡単な説明になります。バーカウンターで、「ナポレオンください」と注文し、「何にしますか?」「え?」「え?」というようなコントを披露しないように、基本知識は押さえておきましょう。お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「Wi杯」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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