ライフ

長期熟成ウイスキーの楽しみ方。自分好みの1本を見つけるには…

 ウイスキーは、蒸留したあと木樽に入れて熟成させます。最低でも3年間以上寝かせることで、透明な液体がウイスキーになるのです。周囲の気温や湿度によって、木樽には空気が出入りします。当然、その呼吸に合わせて、わずかながらに蒸発していきます。涼しいところで年間2~3%、暑いところだと15%以上もなくなってしまうのです。この減った分のことをエンジェルシェアと呼びます。天使の取り分というロマンチックな名称ですが、年を追うごとにどんどん減っていくので生産量も減ってしまいます。そのぶんコストが上がるので、当然価格も高くなります。

年を追うごとに熟成しつつ、中身が蒸発していきます。写真はカヴァラン蒸留所の展示です

なぜ、長期熟成ウイスキーは値段が高いのか?

 高級ウイスキーの場合は、ボトルに熟成年数が記載されていることがあります。ウイスキーを作るときには、複数の樽から作られた原酒を混ぜてバランスの良い味に仕上げるのですが、そのなかで最も若い原酒の熟成年数を表記するというルールがあるのです。  なかには、比較的若い原酒を使っているウイスキーの場合、年数表記しないこともあります。その場合はNV(ノンヴィンテージ)といいます。銘柄によって大きく差はあるのですが、NVが一番安く、熟成年数が上がるほど価格が上がっていきます。

長期間熟成したウイスキーを飲む際は、その銘柄の若いウイスキーを飲んでからにするとさらに楽しめます

 例えば「山崎」だとNVが8500円前後ですが、12年だと1万8000円前後になります。ほかには、筆者が大好きなシングルモルトスコッチウイスキーの「タリスカー」は、スタンダードの「タリスカー10年」をはじめとして、18年、25年、30年をラインナップしています。10年は3000円前後ですが、18年は1万1000円前後、25年は3万5000円前後、30年は7万5000円前後と、熟成年数が長くなるごとに加速度的に高くなるのです。  しかし、これは仕方がありません。10年貯蔵すれば、ウイスキーが2割3割なくなってしまうのです。亜熱帯にある蒸留所であれば、空っぽになる可能性もあります。樽から漏れるリスクもありますし、何より完全な管理下に置いて広大なスペースに保管し続けるというのにも莫大なコストがかかります。投資を回収するという意味でも、しっかりと利益を乗せて販売しなければ経営を続けていくことができません。そのため、長期熟成のウイスキーは高い価値があるのです。

まずはバーで自分好みの長期熟成ウイスキーを探すのがコツ

 蒸留所や原酒によって異なりますが、一定の年数までは熟成するほどに美味しくなると言われています。もちろん、好みはあるでしょうが、アルコールのとげとげした感じがまるくなり、こくが出て深みが増し、芳醇な香りと味わいをまとうようになります。長年樽に触れるので、色も濃くなる傾向にあります。  普通に買える長期熟成ものだと、オフィシャルウイスキーでは25年熟成ものが最長になります。もちろん、価格は数万円しますし、ものによっては10万円を超えます。自分の好みかどうかわからずに買うのはちょっとした冒険です。そこでオススメなのがバーです。1杯から飲めるので、いろいろチャレンジしながら、好みの長期熟成ウイスキーを探すのも楽しいものです。

まずは、バーで25年熟成のウイスキーにデビューしてみましょう。写真は原価BARで扱っている銘柄の一部です

 もちろん、1杯とはいえ、元がとても高いので、なかなかのお値段になります。1杯数千円から1万円を超えることもあるでしょう。プロジェクトを成功させたとき、昇進した時、ボーナスが入ったときに、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「Wi杯」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事