青木真也、K-1開催への批判に持論「自粛を要請って言葉として変じゃない?」
新型コロナが猛威を振るう中、エンタメ業界を始め興行の中止が相次いだ。もちろん、それは格闘技の世界でも同じである。
――まずは開催自体に賛否両論が飛び交った「Road to ONE:2nd」の経緯について、教えてください。
青木:4月12日にニューピアホールというところに決まっていたんですけど、それが4月17日にずれて、次の会場はライブハウスだったんです。でも、緊急事態宣言後に会場を発表してしまっていたので、会場にクレームの電話が殺到したんです。ライブハウスに対してリスクがあるだろうって。結局、別の都内某所で開催になりました。
――格闘技の無観客試合って、選手からしたらどんな感じなのですか?
青木:選手にとって無観客は超やりにくいよ! だってお客さんの反応がわからないから。暗闇で試合しているみたいな感じだから。
――久々の格闘技のイベントでしたが、どのような手ごたえがありましたか?
青木:今回は、世間と戦って面白かったかな。やっぱり、プロレスとか格闘技って世間と戦ってなんぼだと思うんですよ。社会になにか投げかけた。社会とこう「わちゃわちゃやってる感」が楽しかったですね。
――今回、興行が開催されたことへの周りの反応はどういったものだった?
青木:厳しい反応も多いですよ。その分喜ばれる反応もあるし。二極化していますよね。コロナ秘密警察みたいなメンツと、おおらかに楽しいことを楽しむメンツと。
――青木選手自身に浴びせられるバッシングもありますよね……
青木:はい。バッシングは、ぶっちゃけますけど、この前みたいなマイク(死にたくねえ? 負けたくねえ? だったらずっと家にいろよ発言)をやると誤解曲解もあって、「けしからん!」と、みんな言うわけですよ。
――でも、昨年の試合での「36歳になって、家庭壊して、好きなことやって、どうだお前ら羨ましいだろ」発言と比べると、今回は世間に対してのマイクに感じましたね。それは今の時代を意識しての発言ですか?
青木:僕自身が、今の「ステイホーム」みたいな空気を気持ち悪いと思っている。みんながみんなっていう風潮を、気持ち悪いと思っているわけ。みんなが通勤ラッシュを避けて、リモートで仕事できるわけじゃないわけじゃないでしょ。正論でいると、家でステイホームしている方がいいけど、裕福である程度働かなくても平気な人が「ステイホーム」って言っても響かないし。
みんなが同調圧力で正論に逃げてる。正論っていうのは、こういう時に一番叩かれないこと。ウィルスに罹らないってことで言えば、家に居続ければいいんだけれど。そもそも、「人が生きるって、そういうことじゃないよね」って思うんですよ。人間的な生活っていうのは、なにか文化的なことも必要だし、楽しみがないと生きていけない。結局、そういうところを逃げて上から「ステイホーム」と言ったところで、「そんなもんじゃないでしょ」って気持ちは、僕はある。
――しかし、今回の新型コロナは死への恐怖もあると思いますが。
青木:あ、そうそう。死にたくないのも当然わかりますよ。だったら家にいればいいんだよ。と僕は思います。
――なるほど。どんな時でも、好きなように生きている青木さんに対して、嫉妬を感じる人もいると思います。
青木:人に押し付けんなよってことを僕は言いたいんです。ツイッターのクソリプでいうと、送ると気持ちいいんでしょ。こう正論言って、得意になって。
コロナ論みたいなこと話しだすと長いけどさ。俺、べつにそんなに恐怖に感じていないんだよね、実は。そこら辺の温度差は正直あると思います。前に言った、「いつ死んだって、いつ(格闘技を)辞めたっていい」っていうことだって、半分以上本気だし、「それくらい俺は今を必死にやっているからね」ってことだし。一生懸命生きているからね。
――では、今回の興行に関して批判する人たちに対してどう感じていますか?
青木:俺はコロナ界隈の話でいうと、集団ヒステリックだと思っている。みんなが感情的になっていますよね。練習することも、試合もすることも違法じゃない。だから極めてこの国って民主的な国って思うんだけど、同調圧力ってもので、社会をコントロールしているのって伝わりますよね。
――ちなみに、3月に開催され、非難を浴びたK-1についてはどう思いましたか?
青木:俺はやっていいと思ったね! だってやるのは自由でしょって。実際、結果論になっちゃうけど問題は何も起こっていないし。「自粛を要請する」って、言葉としておかしくない? って思ってる。
まさに、開催自体の意義が問われる渦中の4月17日、AbemaTVにて「今」だから「格闘技」を!のコンセプトの元、「Road to ONE:2nd」が生中継された。メインを務めたのは元ONE世界ライト級王者の青木真也と柔術家の世羅智茂。その試合後のマイクで「死にたくねえ? 負けたくねえ? だったらずっと家にいろよ」と、世間に一石を投じた青木真也。そんな彼に、リモート取材を通して今の心境を聞いてみた。
「ステイホーム」な空気は気持ちが悪い
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出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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