信に対する漂の言葉はいわゆる遺言です。誰かの死は親しかった人間に悲しみをもたらし、呪縛になることもあります。しかし、死にゆく者が思いを託し、残れた者がその思いを受け継ぐと、その思いの継承がとても強い決断の原動力になります。遺言はその接点になっています。 『キングダム』は史実を基にしているとはいえフィクションです。しかしキャラクターの心理は、現実の人間と共通しています。でなければ誰も物語に共感したりしません。 　キングダムのようなフィクションと違って、現実世界では身近な人間が次々に死んでいくことはまずありません。そのため、人と人が作る心の世界に対して鈍感になりがちです。物語はその心の世界、つまり「人物の影響」と「決断」の関係を思い出させてくれます。 　信と漂のエピソードはキングダムの第1巻で描かれています。もし興味が湧いたら、ぜひ読んでみてください。何かを決断するためのヒントになるはずです。 コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』（扶桑社）が発売中