つのだ☆ひろ大活躍!サディスティック・ミカ・バンドの名盤は?
私が最初に「つのだ☆ひろ」を知ったシングルが、今回の「お宝箱」に入っています。それが、こちら! サティスティック・ミカ・バンド(※2)の『サイクリング・ブギ』です。
『サイクリング・ブギ』(1972年)作詞:つのだ☆ひろ 作曲:加藤和彦
「へえ、クリスさん、持ってるんだ、エライ! この曲は、作詞も、ドラムも、コーラスも、僕がやっているんですよ」
当時、つのだ☆ひろさんは、加藤和彦さんの子分だったそうです。それなのに、なぜ、途中でバンドを離れたのでしょうか。
つのだ☆ひろさんが手がけた歌詞には、赤いシャツやマンボズボンが出てきます
「加藤和彦さんは、あらゆるジャンルの音楽をやっていて、それをそばで見ていて、うらやましくて仕方がなかったんです。ファッションも影響を受けたし、料理も和彦さんの影響なんです。それで、加藤和彦みたいなことをやりたくなって、バンドを結成したんです。いまから思えば、もうちょっと一緒にやっていたかったな(笑)」
俺が歌わないほうがヒットする!『失恋レストラン』誕生秘話
つのだ☆ひろさんといえば、数々の提供曲を手がけられています。なかでも、清水健太郎さんが歌った『失恋レストラン』(1976年)が大ヒットしました。
「デビュー前の清水健太郎は、リーゼントに革ジャン。だから『ロックンロールで』とデビュー曲の依頼を受けたんです。ところが、書けども書けども、『ダメだ、こんな曲は』と担当から突き返されてね。ロックンロールを20曲も作れば、ネタも尽きて、仕方なくてポップスを書いて持って行ったら、『いいじゃないか、これでいこう!』となったんです。ロックンロールじゃなくていいんですか? と聞いたら『いいんだよ、新人なんて、曲に合わせれば!』と言われて誕生したのが『失恋レストラン』でした」
『メリー・ジェーン』と『失恋レストラン』を熱唱するつのだ☆ひろさん!
スタジオの中もソーシャルディスタンスを保ちつつバンド演奏と歌唱を披露
スタジオライブでは、つのだ☆ひろさんのパワフルなボーカルで、永遠の名曲『メリー・ジェーン』と、『失恋レストラン』を披露していただきました。フルバンドでの豪華演奏です! 7月9日放送の番組を、どうぞ、お楽しみに!
(※1)つのだ☆ひろ。1949年福島県生まれ。歌手、ドラマー、作詞作曲・編曲家。音楽プロデューサー。中学時代からドラムを始め、高校在学中にプロデビュー。卓越したテクニックと日本人離れしたパワフルなドラミングが評判を呼び、日本を代表するさまざまなミュージシャン達と競演し、ドラマーとしての地位を獲得する。1972年「メリー・ジェーン」は超ロングセラーとして親しまれる。また音楽スクールを主宰し次世代のミュージャン育成にも力を注ぐ
(※2)サディスティック・ミカ・バンド。1971年11月、加藤和彦、加藤ミカ、つのだ☆ひろの3人で結成。1972年にシングル「サイクリング・ブギ」でデビュー。1972年9月で、つのだ☆ひろが脱退。高橋幸宏、高中正義、小原礼などが加わり、1975年11月に解散
タレント、音“楽”家(おんらくか)。
邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『
ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。