仕事

再起を図る飲食店経営者、厳しい資金繰りのすえに…「何かがプツッと切れた」

起死回生を狙った弁当配達の大口オーダーがストップ

弁当

多くの飲食店が弁当の配達やテイクアウトなどに活路を求めたが…

 東京都墨田区の飲食店経営者・横島四郎さん(仮名・60代)も、7月いっぱいで店を閉める決心を固めた。 「うちは3店舗あるから、休業協力金は100万出た。ただ、家賃の足しになったくらいで、従業員の給与が払えなかった。6月から営業再開して、信用金庫に土下座してお金作って、従業員にも10万円ずつ渡して……これでなんとか、と思ったけどね」(横島さん、以下同)  実際、6月の営業再開後も店に客は戻らなかったが、一方で、横島さんが力を入れたのは自家製弁当の配達業務だった。 「6月の頭、緊急事態宣言が解除されて以降、店のお客さんもオフィスには戻ってきていた。だから、そういうお客さん向けに弁当の配達を始めたんです。とある大企業の営業支店が、百個単位でオーダーをくれ、さらに知り合いに声をかけると、1日300食近く出せるまでになった。従業員にも朝から来てもらい、生き残ることができると喜びました」  ところが、東京都内の感染者急増を受けて、人が戻りつつあったオフィスから、再び人が消えようとしている。 「弁当を届けていた先が、また出社停止にして、社員のほとんどをリモート勤務にするというんです。当然、弁当も不要だと。なんとか夏まで、という思いで踏ん張ってきましたが、何かがプツッと切れた感じです。社員やアルバイトには本当に申し訳なくて……」  現状を「感染第二波」と呼ばずして、どう表現すれば良いのだろうか。感染者は増え続ける一方で、人々はまた疑心暗鬼の中で、自主的に経済活動を縮小させ、カネの流れが止まりつつある。にも関わらず、自治体や政府は「新たな救済制度」の創設よりも、経済活動の再開が優先だとして、絵に描いた餅のような施策ばかりを空虚に唱え続ける。  1秒でも早い手助けがないと、飲食店や中小企業が、この夏本当に消えて無くなってしまう。<取材・文/伊原忠夫>
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