お金

「借金は恥ずかしいこと」だった18歳。むじんくんと初めて対面した僕は…

―[負け犬の遠吠え]―

むじんくんに足を踏み入れたことがある人間は誰しもが感じたことのある話

ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteで有名になったTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載。  今回は、夢を追う人間の誰もが体験する、はじめて「むじんくん」に足を踏み入れたときのお話です。
ギャンブル犬

犬のTwitterプロフィール

=====

上京と初借金の胸の高鳴りは同じ音がする

 成長していくにつれて「初めての体験」は減っていく。義務教育から解き放たれ、不安ながらも期待を抱えた18歳。新しい痛み、新しい喜び、新しい街。そして初めての借金。  大学を3ヶ月で中退して一族の怒りを買って実家を追い出された僕は、半年かけてパチスロで独り立ちする資金を貯め、兼ねてから住みたかった街である京都に部屋を借りた。  実家を追い出されて保証人もいなかったので、ネットじゃなく直接京都の不動産屋を訪ね、身一つで借りれる部屋を探した。家賃は2万5,000円。当時の京都はアクセスが良くなって駅前が発展していても安いままの物件や、逆に祇園の近くというだけで驚くほど高い物件があったりした。引越しを考えているなら直接歩いて不動産屋を回ってみるのがいいだろう。とはいえ8年近く前の話なので今もそうとは限らないが。
京都の部屋

京都で25,000円の部屋

 京都にこだわる理由は二つあり、一つは新撰組ゆかりの地であるという事だった。昔から新撰組が好きだった僕は、自由に生活できるようになったら絶対に壬生寺(新撰組の屯所だった)の近くに住みたいと思っていた。多分これが最初で最後の聖地巡礼だったはずだ。血で血を洗うような蛮行を繰り返していた新撰組ゆかりの地を“聖地”と呼ぶのはどうかとも思うが、この呼び方しか知らない。  もう一つは京都大学への憧れだった。この年、僕は1年間の予備校期間を経て京都大学を受験し、不合格になっている。当時の予備校で現代国語を教えていた先生は受験対策をあまりせず、代わりに京都に住みたくなるような学生時代の思い出話を聞かせてくれた。振るわない成績、高まる京都への期待。ベッドの上で天井を仰ぎながら、 「京大生になったらこんな学生生活を送るぞ」  と夢想にふける典型的なワナビー受験生だった。当たり前のように不合格になった後も、京都そのものへの憧れは強く残っていて、大学を衝動的に辞めたのも心のどこかで京大生として生きていたかもしれない自分を捨てきれなかったからかもしれない。この病を「学歴コンプレックス」と呼ぶ。  晴れてこだわりの京都に住むことになった僕だったが、二週間で残りの貯金を使い果たしてしまった。理由は言わずもがなパチンコとパチスロだった。パチスロには確率と期待値の考え方が通用するので計算上増やすことは可能だが、同時に計算結果に対する分散も発生するため、ある程度資金がないと生活できるほど安定はしない。だけど打った。バイトを探すのがめんどくさかったので。そして負けた。  体感では50万持ってちゃんとした立ち回りができるのであればパチスロを食い扶持にしてもいいとは思うが、そうでないなら安易に生活の軸に据えない方がいいだろう。
次のページ
重い19歳の家賃25,000円
1
2
3
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事