更新日:2020年09月15日 18:00
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あなたが「菅総理大臣」なら、どうするだろうか?/倉山満

まずは官房長官。そして幹事長、早期解散総選挙を突破しなければ、安倍内閣の二の舞、死に体だ

 さて、あなたが「菅総理大臣」なら、どうするだろうか?  まず、官房長官は自派で固めなければ何もできない。菅派の全貌は不明だったが、25名の国会議員が所属しているとか。弱小派閥を率いる「菅首相」は、官邸主導で政官界ににらみを利かすしかない。それは安倍内閣8年で官房長官を務めた菅氏が、誰よりも熟知しているはずだ。具体的には梶山弘志現経済産業大臣のような人材を据えられるかが第一だろう。  次に幹事長人事だ。安倍首相が満を持して病気退陣したのは、勝てる内に解散総選挙に打って出るという魂胆だ。しかも相手は枝野幸男。天地がひっくり返っても政権交代はない。ならば、次の幹事長は総選挙勝利の功績で留任となる。  もし二階幹事長留任で選挙に臨む、あるいは「菅首相」が解散を打てないとすると、二階氏に党を明け渡した安倍内閣の二の舞である。  仮に「菅首相」がやりたいことをやるとしたら、官房長官は自前、幹事長から二階はずし。その上で、財務大臣と外務大臣の主要二閣僚、自民党三役(幹事長・政調会長・総務会長)を主流五派に割り振りつつ、主導権を確保するのが第一の関門だ。  第二の関門が、早期解散総選挙だ。仮に創価学会・公明党の意向で首相の解散権が封じ込められるなら、「菅首相」は自民党の多数ともども屈服する格好となる。それでは「菅内閣」は死に体だ。しかし、マスコミに流れている10月総選挙説も、安倍内閣の時代から創価学会・公明党を抜きにして決めている訳が無い。二階はずしに対し、それまでの義理で創価学会・公明党が抵抗しているに過ぎないだろう。  ならばコロナを収束させてしまえばいい。どうやって?  安倍内閣の時代から、政府は科学的知見など一顧だにしていない。御用学者にテキトーな理由を付けて「収束している」と言わせれば良い。息苦しい世の中に国民は飽き飽きしている。「マスクのいらない生活」を訴えれば、自民党は議席を増やすかもしれない。  その方法が適切とは思わないが、創価学会・公明党の顔が立つようにすれば、現職総理及び自民党多数三派を敵に回し、二階氏(幹事長を外されているならなおさら)をとるか。とるまい。  二階氏は親中派として知られるが、麻生氏は祖父吉田茂の代から親米派である。最近でもアメリカの対中経済制裁に合わせて外為法を改正するなど、親米派として親中派を掣肘する動きが見える。「二階はずし」の動きも、その一環か。  二階氏は「菅内閣」の黒幕として動いていた。その動きすら操る黒幕がいたとしたら、どうだろう。  菅氏は総裁選出馬の初日、青木幹雄元参議院議員に挨拶に行った。青木氏に関しては、私は2年前から本欄で重要人物として指摘してきた。菅氏との関係も深い、親米派だ。 「菅首相」に期待したいのは、親中派潰しだ。  切り死に覚悟で戦うなら、応援する。 ※当記事は9月11日に執筆されたものです。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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