山下久美子編
アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚以上。さらに雑誌やポスター、グッズ、珍品なども所有し(現在も収集中)、アーティストからも認められるほどの大の音楽ファンのクリス松村が、MCを務める『ミュージック・モア』で秘蔵のコレクションからとっておきの1枚を披露!
今回の「クリスのお宝箱」は、アン・ルイスさんのアルバム『ピンク・キャット(Pink Pussy Cat)』(1979年発売)です。
『ピンク・キャット(Pink Pussy Cat)』(1979年発売)
まず、ジャケット写真の奇抜さに目が奪われますが、その裏側の写真にも注目! ソファーに寝そべっているアン・ルイスさんが、とってもセクシーです。
中国語で「粉紅色的小猫」というタイトルも付いていて、さらに、初回盤はピンクのカラーレコード! 何から何までピンクなんです。
「このアルバムに山下久美子さんが大好きな曲が入っています」とクリス
もちろん中身も素晴らしいアルバムで、帯にはこんなコピーが!
「山下達郎プロデュース/YMOのメンバー3人がプレイヤーに参加/作家陣も吉田美奈子を筆頭に豪華メンツが参加。アメリカンポップス・センスと、70年代フュージョン感覚が絶妙にブレンドされた達郎ワールド全開盤!」
というようにプロデュースが山下達郎さんで、レコーディングには吉田美奈子さん、YMOとして活動中の細野晴臣さん、坂本龍一さん、高橋幸宏さん。そして、桑名正博さんが率いるTEARDROPSなどなど、素晴らしいミュージシャンが、このアルバムのために集結しています。
山下達郎プロデュースでアン・ルイスをイメチェンさせた名盤
アン・ルイスさんといえば、『グッバイ・マイ・ラブ』(1974年)でブレイクしますが、その10年後に大ヒットした『六本木心中』(1984年)など、ハード路線のほうがお馴染みかもしれません。
そんな彼女が、歌謡曲からロックへと向かう“前夜”にリリースした本格派ソウル&ディスコ、ファンクの名盤が、この『ピンク・キャット』です。
「20歳の時に、衝撃を受けたアルバムが、このアルバムなんです!」と山下久美子さん
ちなみに、達郎さんが手がけたアン・ルイス作品といえば、『恋のブギ・ウギ・トレイン』が有名ですが、このアルバムにも、踊りたくなるようなディスコ&ファンク要素たっぷりなサウンドが盛りだくさん!
そういったキラキラなディスコサウンドのなかで、ひときわメロウなサウンドで心をひくナンバーが、『シャンプー』なんです。
この『シャンプー』で作詞家デビューしたのが、康珍化(カンチンファ)さん。その1年後に、山下久美子さんのデビューシングル『バスルームから愛をこめて』を手がけて注目されます。
『バスルームから愛をこめて』の歌詞に、「♪男なんてシャボン玉~」とあるんですが、こういうフレーズを書けるなんて、やはり天才だと思うんです。
「永遠の名曲『シャンプー』を、ぜひ、みなさんに聴いてほしい曲です」とクリス
康珍化さんは、1984年、高橋真梨子さんの『桃色吐息』が日本レコード大賞作詞賞受賞。1985年には中森明菜さんの『ミ・アモーレ』が日本レコード大賞受賞。そのほか、岩崎良美さんの『タッチ』、上田正樹さんの『悲しい色やね』、杉山清貴&オメガトライブの『ふたりの夏物語』など、数々のヒット曲を世に送り出しています。
山下久美子さん(※)も、アン・ルイスさんのアルバム『ピンク・キャット』に影響されたお一人で、なかでも『シャンプー』は、いまでもライブで歌っているそうです。
「私がまだ20歳になったばかりのころ、なんて素敵な曲だと衝撃を受けました。この『シャンプー』は、たぶん、アン・ルイスさんよりも数多く歌っていると思いますよ(笑)」と山下久美子さん。
デビュー40年の山下久美子さん。ハスキーでキュートなボーカルはいまも健在!
今回のスタジオライブは、山下久美子さんのデビュー曲『バスルームから愛をこめて』と、大ヒット曲『赤道小町ドキッ』を披露していただきます。10月は第5土曜も放送! 10月31日放送の番組を、どうぞお楽しみに!
(※)山下久美子。1980年に『バスルームから愛をこめて』でデビュー。『赤道小町ドキッ』が大ヒットし、その後もハスキーでキュートなボーカルで『こっちをお向きよソフィア』『瞳いっぱいの涙』など、ヒットを連発。その過激なライブ・パフォーマンスから“総立ちの久美子”の異名で一斉を風靡! 今でも“総立ちの久美子・健在!”と言われるほど、エキサイティングなライブを見せている。
タレント、音“楽”家(おんらくか)。
邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『
ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。