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『恋あた』恋愛も仕事もなにがきっかけになるかは誰もわからない

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第235回  現在放送中のドラマ『この恋あたためますか?』では、主人公である井上樹木(きき)の恋愛が描かれています。その相手になるのが、彼女が働いているコンビニ「ココエブリィ」の社長、浅羽拓実です。  もともと地下アイドルだった樹木は、年齢を理由に「卒業」という形でグループから追い出されています。それ以来、新しく打ち込めるものを持てずに、ココエブリィでバイトをしていました。そんな彼女の趣味がSNSで配信しているコンビニスイーツのレビューです。

何がきっかけになるかはわからない

 彼女のアカウント「キキかじり」はフォロワーは多くないものの、コンビニスイーツの企画開発陣に「的確」と評価されていました。浅羽は偶然、自分のコンビニでバイトをしている樹木が「キキかじり」の配信者であることに気づきます。  この時、浅羽はネット通販会社エクサゾンからココエブリィに社長として出向してきたばかりでした。彼は経営改革として新しいスイーツを求めており、彼女に「君が必要だ」と言ってその開発を要請します。  この言葉に心を揺さぶられて、樹木はスイーツ開発に打ち込むようになりました。自分を必要だと言ってくれた浅羽に恋心を抱き始めたのもこの時です。  何かを成し遂げたり、習慣や性格を変えたりするには信念が必要です。そして、信念は「テーマ」「エピソード」「フレーズ」の3つでできています。

信念は3つの要素でできている

<信念の3要素> 1.テーマ(取り組むべき課題) 2.エピソード(心を揺さぶられた体験) 3.フレーズ(体験について考えたこと)  樹木のテーマになっているのは「なぐさめ」です。樹木は「人を幸せにしたい」と考えて、地下アイドルで活動していました。しかしグループから追い出された時に、「君は噛み続けたガムなの。もう21じゃ味しないでしょ」と罵られています。「お前は必要ない」と言われて傷ついた彼女だからこそ、「君が必要だ」という浅羽の言葉が響いたのです。  また、新作スイーツが完成した時、浅羽は「君の作ったこの味が多くの人を幸せにするんだ」と語りかけました。これによって彼女がもともと持っていた「人を幸せにしたい」という信念がよみがえっています。このことも大きななぐさめになっています。 「なぐさめ」は人生にとって重要なテーマです。人は誰しも悲しみを抱えます。その結果、「もうあんな思いをするのは二度とごめんだ」と考えて、無気力になることは珍しくありません。 「追放」という憂き目にあった樹木の悲しみは、人間にとって最もシリアスなものの一つです。私たちはまず社会に自分の居場所があって、次にその居場所で勝ち負けや優劣、利己的か利他的かなどを気にするようになります。つまり、それは自分の居場所があるかどうかに比べれば、贅沢な悩みだということです。
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信念を探すためには自覚が必要
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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