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『鬼滅の刃』時透無一郎の性格がガラリと変わったワケ

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第232回 刀 映画が大ヒット中の『鬼滅の刃』。この作品ではキャラクターの行動理由や判断理由が詳しく描かれています。霞柱の時透無一郎は「刀鍛冶の里編」の序盤では、仲間の刀鍛冶を能なし呼ばわりするような人間でした。それが終盤になると、「俺のために刀を作ってくれてありがとう」と感謝するようになります。

なぜ性格は変わったのか?

 彼の性格はなぜ変わったのか。人間は「感動した時に考えたこと」が自分の信念になります。何かを成し遂げたり、性格や習慣を変えたりするには、この信念が必要です。無一郎が持ったのは、「人の役に立つ」という信念です。  彼の父親は生前に「人のためにすることは、巡り巡って自分のためになる」と教えていました。このことから無一郎は自分に剣の才能があると知った時に、「剣士として役に立ちたい」と考えました。これが彼の信念になるはずでした。  ところが、無一郎は鬼に襲われ、兄の有一郎を殺されたショックで、こうした過去の記憶を失ってしまいました。そして、この記憶を炭治郎とのやりとりをきっかけに思い出したことで、彼は自分の信念を取り戻し、性格も変化したのです。

マインドレコーディングとは?

 信念はテーマ、ヒント、エピソード、フレーズ、アウトプットの5つのステップで気づけるようになります。この仕組みを私は「マインドレコーディング」と呼んでいます。 <人生を変える5ステップ> 1.テーマ(望みや悩みの対象) 2.ヒント(体験を思い出す手がかり) 3.エピソード(心を揺さぶられた体験) 4.フレーズ(体験について考えたこと) 5.アウトプット(考えを誰かに話す)  無一郎の場合、記憶を失っている間はただ鬼を倒すことが目的になっていました。彼のように結果だけを追い求めると、人間はどんどん冷淡になって、周囲との間に軋轢が生じます。こうした段階では、「人のため」がテーマになります。  このテーマについて、「人のためにすることは、巡り巡って自分のためになる」という炭治郎の言葉をきっかけに、自分の体験と信念を思い出しました。また、鬼殺隊の長である産屋敷耀哉から「ささいなことがきっかけで思い出せるようになる」と事前に言われていたことも、ヒントの一つになっています。
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アウトプットすることの重要性
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