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政府の無能なコロナ対策で人生や商売を台無しにする必要はない/倉山満

憲法改正などしなくても、政府はやりたい放題

 こういう世相の中で、「コロナ禍で私権を制限できないから、いつまでたってもコロナ禍が終息しないのだ」などと頓珍漢な主張を繰り返す御仁がいる。どこの中国共産党の回し者かと思ったら、保守をきどる改憲論者だ。  勘違いもはなはだしい。憲法改正などしなくても、政府はオールマイティーにやりたい放題やっているではないか。  特に、東京都知事の小池百合子が要請と称して振り回す命令は、「夜間外出禁止令」「営業停止命令」「灯火管制」「禁酒法」「贅沢禁止令」と留まるところを知らない。コロナに怯える国民を煽動し、権力を振るい国民の自由を奪う快感に酔いしれている。人は彼女を「百合子パス」と呼ぶ。手柄は自分のもの、責任は常に他人に。あまりのサイコパスぶりに、人々は噂するようになった。  戦時中、悪法で有名な国家総動員法が可決され、政府は補償なしに国民の財産を接収できることとなった。これに多くの国民は「戦争に勝つためだ!」と協力した。しかし、耐えられない人は財産を隠すし、ヤミ経済に手を染めるようになった。露見するや「非国民」と罵られる。強烈な同調圧力の中で、人々の平穏な日常は奪われた。  今の日本でマスクをしないで道を歩いていると、人間扱いされないのと同じだ。

政府の無能なコロナ対策で人生や商売を台無しにする必要はない

 しかし、国民が自由を捨て財産を差し出し、政府の言いなりになって、戦争に勝てたのか?  今も同じだ。政府の無能なコロナ対策に付き合って自分の人生や商売を台無しにする必要はない。梅雨にマスクをするなど不潔極まりないし、補償金もないのに商売をやめる必要はない。飲食業、特に酒類の提供が狙い撃ちにされているが、何の証拠があるのか。尾身ら政府の専門家と称する連中の言っていることなど、この1年で何度変わったか。  ちなみにコロナ自粛を強制する連中が金科玉条とする現在の改悪コロナ特措法では、知事が補償も無しに営業自粛を要請できる四条件が示されている。一、知事の独断ではなく、専門家の意見を聴取していること。二、科学的証拠があること。三、規制が必要最小限であること。四、処罰が比例原則に則っていること。これは2月1日衆議院内閣委員会で、近藤正春内閣法制局長官が示している。“百合子パス”も、一応は専門家の意見くらいは聞くだろうが、明らかに他の三つの条件は満たしていない。裁判になれば、多額の賠償金を請求されるだろう。  狂った風潮だ。今も「緊急事態宣言を延長するしかない」とのニュースを聞きながら、この原稿を書いている。日本人はどこまで痛めつけられれば済むのだろう。絶望するしかないのか?
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中川俊男日本医師会会長は、やはり本物のバカだった!
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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