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借金500万円男。惚れた馬で宝塚記念を狙い撃ち、ホテル暮らしから脱出できるのか

初めて惚れた馬はカレンブーケドール

 カレンブーケドールは、僕が初めて「好きだから買おう」と思った馬だった。  競馬の買い方を知ってしまったせいで、計算や分析が下手な僕は負けに負けていた。  これまで公営ギャンブルで目が覚めるような思いをしたことがない。バカラと違って根拠を考えてブレーキがかかるせいで捨て身のギャンブルもできなかったし、買い方が下手にも程があるくらい当たらない。  ちょうど去年の暮れはパチンコも競馬もボートレースも当たらず、自転車操業の借金生活もタイヤがパンクして走れなくなっていた時期だった。  SPAの紹介文の「捨て身のギャンブラー」の看板もすでに歪んでいた。ここらで本気の買い方をしなければならない。そう思って真剣に選んだ馬券だったから思い入れも強かった。  NHKジャパンマイルカップ……恥ずかしいことに、僕が本気で競馬に熱中した初めてのレースはつい半年前だ。  当時はアーモンドアイの引退レースということもあり、圧倒的な人気を誇っていた。次点で人気だったのがコントレイルとデアリングタクト。3頭で決まりのレースだと思われていたが、僕が選んだのはカレンブーケドールだった。

野球漫画のキャッチャーのような馬

 競馬素人の僕がまず調べたのは過去の戦績だった。指標としてこれほどわかりやすいものはない。勝ってきた馬が強い。負け続けてきた人間が逆転の藁を掴むために、結果を出している馬を買う。何とも情けない構図である。  当時カレンブーケドールの戦績は2着が多かった。というより、優勝は2回だけだった。他の馬が金と白の、勝つか負けるかのレースを繰り返してきた中、カレンブーケドールの戦績は野球漫画のキャッチャーのような、強いけど主人公ではない印象を感じた。まるで自分から一歩引いたような、競馬の世界で「立ち回り」を意識しているようなクールな馬に見えた。  ジャパンカップではこの馬を2、3着に置いて馬券を買ったが結局4着に終わった。気合いを入れた馬券は負け、当時のSPAの担当に借金ができた。そういえばこの金もそろそろ返さなければならない。  それ以来カレンブーケドールを2、3着で買い続けたが、いまだに一度も当たらない。2着神話は終わったのだろうか。そういえば競馬実況者が天皇賞で「この馬は前に馬がいないと走れない」と言っていた。  そんなカレンブーケドールが6月末のG1レース「宝塚記念」に出走するという。keiba.netで調べると、「古馬」の扱いを受けていた。馬の寿命は短い。好きな気持ちを焦らしていいことなんてない。  買おうと思っている。おそらく今回の宝塚記念が最後のG1になるかもしれない。  ちょうどTwitterで気のいいフォロワーから2万円もらったところだったし、この前ガールズバーに連れていってもらった時にも3万円をもらっている。こうして可愛がられて金をもらいまくっていると、借金を作った過去の自分をどんどん肯定してしまいそうになる。カジノの代わりに報酬系を刺激されてしまい、ますますパチンコから足が遠のきそうだ。  この記事を書いているのはまだ宝塚記念の一週間前。そしてこの記事が出るのがレース後。  土日は晴れましたか?  台風が近いけどレースはありましたか?  カレンブーケドールは、勝てましたか?  僕はまだホテル暮らしができますか? 文/犬
フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩
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