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コロナ禍でも拡大路線をとるアパホテルのビジネス哲学とは

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第244回 アパホテル アパホテルは昨年27棟を開業し、今年も21棟の開業を予定しています。コロナ禍によってホテル需要が低迷するなかでも拡大路線を取ることについて、アパグループの元谷外志雄会長は次のように語っています。 「ホテル運営は20年から30年という長期的なスパンで考える必要があり、一過性のものに左右されず、今後も東京、大阪、福岡などを中心に拡大出店を計画通りに進めていきます」

コロナは一過性

 元谷会長が大都市を中心に出店しているのは、「世界では都市化が進んでいる」と考えているためです。また、ホテル業界に限らず、「資本主義は乱立、寡占、独占という歴史をたどる」とも考えていて、より大きなシェアを獲得するために拡大路線を取っています。  現在のコロナ禍を一過性と捉え、ホテル運営の数十年というスケールや、資本主義の歴史といった視点から考える。こうしたビジネス哲学のきっかけになったのは、元谷会長の父親です。雑誌『フォーブス』のインタビューによると、父親は中央紙、地方紙、経済誌と3紙の新聞を読んでいて、少年時代の元谷会長に「行間を読め」と教えていました。  この教えについて、元谷会長は「書いてあることを丸暗記するのではなく、背景にあるものを考えるようになった」と言います。この「背景について考える」という信念が形になっているのが、コロナ禍での拡大路線です。

経営にも信念が必要

「頑張ればうまくいく」という根性論でもなければ、「こうすればうまくいく」という方法論でもない、人間関係に根ざした「だから自分はこれをやるんだ」という信念論が人間には必要です。この信念論のパターンを覚えれば覚えるほど、自分の信念も自覚できるようになります。  実家が家業を営んでいる場合、仕事の信念に関して、親子関係の影響が特に強くなります。元谷会長の場合も、父親が事業家でした。「カエルの子はカエル」ならぬ「事業家の子は事業家」です。  ビジネスには大局的な視点が求められます。そして、その視点はサラリーマンよりも経営者の方が持っています。事業家になりたいならば、親が事業家である方が有利です。 とはいえ、親がサラリーマンでも、事業家になりたいと考える人もいます。その場合は、事業家とのつきあいを作るのが得策です。事業家が普段からどんな思考をして、どんな信念で生きているのか。その精神に触れることは、元谷会長がそうだったように、心の深い部分から自分のビジネスに作用します。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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