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「”ほぼ無観客開催”の楽しみ方」東京五輪の穴場競技を7年追い続けた男の現在

競技の魅力が肉眼以上に伝わる最新技術

 感染拡大防止以外にもテレビで見守ることのメリットはさまざまあります。まず最大の利点は、中継を通じてさまざまな情報を得られることです。  1964年東京大会ではスローモーションの技術が登場し、1984年ロス大会ではハイビジョンの技術が登場するなど、五輪は新技術投入の機会にもなってきました。競泳の中継における「世界記録ライン」の表示や、アーティスティックスイミングの中継における「水上と水中の演技がひとつの画面で同時に見られる」という映像合成など、最新技術を駆使したテレビ中継は肉眼以上の情報を与えてくれるもの。  今回の五輪でも、競泳において「選手のスピードをリアルタイムで表示する技術」が導入されるほか、陸上競技では「選手がどの瞬間に最高速度に達したか」を表示したり、アーチェリーにおいては「選手の心拍数」を表示するなど、これまでは目測で判断するしかなかった情報がさまざまな形で提供されるといいます。  どの競技にどんな新技術が投入されているのか、普段はあまり見ない競技にも目を向けてみると、新たな楽しみ方も生まれるのではないでしょうか。

テレビ中継ならではの「神の視点」を楽しもう

 競泳で最後の50メートルに差し掛かったとき、先頭を行く選手のスピード表示がじょじょに下がり、猛追する選手のスピード表示がグングン上がっていったら、「差せー! 差せー!」の声にも一層熱がこもるでしょう。  顔はポーカーフェイスなのに射るときにものすごくドキドキしているアーチェリー選手がいたら、射る前から「アチャー」と結果を察することもできるでしょう。それはまさに「神の視点」です。  現地の雰囲気を体感できないこと以外は「神の目」で見守るテレビ観戦のほうが戦況もよくわかり、充実した観戦体験となるというもの。テレビを数台並べれば「神はすべてを見ている」という気分にもなれそうですよね。  今大会はリレー種目のみの出場となる池江璃花子選手ですが、中継技術の向上で個人種目の金メダリストとスピードの比較ができるかもしれません。  
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コロナ禍の新・観戦様式とは?
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