お金

借金500万円男。蕎麦アレルギーになったからカジノと出会えた人生を振り返る

困難の味見をしない人生

 大人になり、希死念慮はかなり具体的に金と結びつく。このままの生活でいいのか、借金はいつなくなるのか、いつまで金を稼ぐために働けばいいのか。  もちろん違う理由で死にたくなる人もいるだろう。僕はあくまで社会の大通りにある縁石の根本に挟まっている路傍の石だ。27クラブのような天才たちの気持ちはわからない。やることが無くなったとか、天辺の景色が想像よりもショボかったとか、人気者に見えて本当は孤独だったとか、死ぬ理由としてはカッコ良すぎる。こっちはそんなに人生を全うできない。  成功者のメッセージで「昔夢を語り合ったアイツがサラリーマンとして仕事の愚痴ばかり言っていてムカついた、俺は泥水を啜ってここまで来た」とか言う人がいるが、正直もうこっちを見ないでくれ、と思う。  人生は選択の連続で、いくつもの分岐点で「困難だけど前に進む」選択をし続けてきた者と、困難の味見をしないまま逃げ続けてきた者では骨の強さも度胸の大きさも違う。愚直に頑張った側からすれば安全地帯から攻撃しているように見えるだろうが、こっちからすればそれはもうただの死体蹴りだ。

逃げる方向を選択すること

 会うことすらできない他人と自分を比べて悶々とすることと向き合うのか、それとも逃げるのか。僕にとっての「大人になる」とは、そこまで堕ちてしまった。そして同じように考えている人もごまんといるはずだ。  僕は逃げる方向を選択した。真面目な社会生活からできるだけ楽で遠い選択をし、会う相手から「破天荒」「ヤバいヤツ」という言葉を引き出そうとして、それだけをガソリンにして走っている。今も。  周りの人が持つ価値観ばかりをジッと見て、それを基準に自分の自由さを表現しようとしたら「金なんてどうでもいい」になった。20代前半はそれが学歴だった。  以上の仕組みで動いている以上、無視をしているフリはしていても、目に入れないことはない。金は大事だし、いっぱい持ってる人間は偉い。時々隣のレーンで同世代が真正面を向き合って戦っているのを見て、その正直さにあてられてしまう。
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フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩

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