スポーツ

<プロ野球>コーチの数は成績にどう影響するのか。12球団のコーチ数と成績を比較してみた

日本一のヤクルトのコーチの数は「平均的」 オリックスはコーチ陣の1,2軍制を廃止し成功

 面白いのは日本一となったヤクルトのコーチ1人あたりの選手数がほぼ真ん中の12球団中6位の4.11人で、なおかつ全球団平均4.16にもっとも近似していたことである。もちろん選手やコーチの実力もあるだろうが、よくある「コーチの指示がバラバラすぎて選手が混乱する」などとよく言われる中で「ちょうどいい」というのが、もしかしたら4.11人という数字なのかもしれない。  パ・リーグを制覇したオリックスは9位タイの4.36人。選手総数が3位という大所帯寄りの球団の割にコーチ数が少ない球団だったということになるのだが、今年のオリックスはシーズン前から「コーチの1,2軍に分けない」という斬新な方針でシーズンを戦っていた。  指導者の数は比率的に少なく、数字上は指導に苦しみそうな体制だったが、1,2軍の意思疎通がとりやすい体制を1年間徹底した結果、チームが強くなったという結果が出たわけである。  もし来年もこの「1,2軍でコーチを分けない」という方針でうまくいった場合、これからのコーチの在り方が大きく変わるのかもしれないので、来季もオリックスに注目したい。

我が道を征く中日 来季もコーチ少人数

 今年12球団トップのチーム防御率を誇りながら貧打に泣いて5位に終わった中日だが、コーチ1人あたりの選手数4.75は12球団でもっとも大きく突き抜けた数字になった。単純比較すると巨人の1.3倍、コーチの負担が大きかったことになる。コーチが少なければ指導方針がブレにくい点はあるだろうが、選手を見切れなさそうな欠点も想像できよう。  そんな中日はすでに来季のコーチングスタッフを発表しているが、なんとコーチ数は今年の16人から1人減って15人となっている。監督以下コーチ陣がほぼ一新された中日だが、コーチを少数精鋭にする方針は変わっていない。コーチに懸かる手腕の比重が12球団1高い中日も来季はコーチに注目したいチームだ。 文/佐藤永記
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
1
2
おすすめ記事