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結局は「自民党に投票せざるを得ない」政治への絶望/倉山満

結局は自民党に投票せざるを得ない政治への絶望

 戦前日本の二大政党は、立憲政友会と立憲民政党だった。この両党は、世にも見苦しい政争を繰り広げたあげく、国民に見捨てられた。しかし、両党ともに「皇室」「国家」という二つの価値観だけは否定しなかった。  ところが戦後、1955年から自民党と社会党の「1・5大政党制」が始まると、社会党は皇室への尊崇心が怪しく、日本を貶めるのをインテリと気取るマスコミと言論人を味方につけて、我が国の憲政を蹂躙した。いかに自民党に不満があろうとも、「まさか社会党に政権を渡す訳にはいかない」と自民党に投票せざるを得ず、大半の日本人は政治そのものに絶望してしまった。  旧民主党政権は、そうした日本人をさらに絶望させ、「結局は自民党しか政権担当能力がある政党はいないではないか」と政権交代恐怖症に陥れた。

健全な野党第一党を作るために必要な三つのこと

 では、岸田文雄首相が次の日銀総裁人事を間違えた時、同じセリフが吐けるか? 岸田政権は「どうせ国民はついて来るしかない」と次々と増税をぶち上げているのだ。舐められている。  健全な野党第一党、イギリス憲政流に言えば、「陛下の野党」とは何か。今の日本では、三つのことを実践すればいい。  第一に、皇室をお守りする事。皇位継承問題の論議を積極的に提起すればいい。第二に、国家をお守りする事。防衛費防衛力増大は、喫緊だ。第三に、経済を成長させること。デフレ脱却前の増税など論外だ。  政権担当可能な政党が二つ以上なければ、選挙に行く意味が無い。  立憲政治の浄化を!
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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