更新日:2023年09月15日 14:05
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「生まれたことを詫びろ」ブラックすぎる医療現場の実態。研修医の手取りは“5000円”、当直時は“39時間連続労働”も

パワハラ、暴力も横行して「もう限界!」の声も

ブラックな医療現場

人口1000人あたりの医師の数 ※『OECDHealthStatistics』をもとに編集部作成

 また、医療業界では、パワハラも常態化しているという。都内で開業医をしている田上大輔さん(仮名・40代男性)はこう話す。 「医師の上下関係は職人の徒弟制度のような風習が色濃く残っており、研修医は直属の医師に逆らえません。バカ・アホ・死ねなんて暴言は日常茶飯事で、『生まれたことを全世界に詫びろ』と言われたことも。オペ室に研修医を殴るためのゴルフクラブを置いている先生すらいると聞きます。40代でもパワハラを受ける勤務医はいますし、基本、上司ガチャはハズレです」  また、多くの医師が大学とその付属病院が組織する“医局”に在籍し、そのしがらみにも苦しんでいる。 「特に地方では医局がひとつしかない地域もあり、人間関係に失敗すると村八分にされることも。医療業界はものすごく狭いので、そうした場合は県外に逃げるしかありません。医局を抜けた開業医の先生が、悪い噂を流されるなどの営業妨害を受け、自殺したケースもあります」(田上さん)

「保険点数の少なさ」がブラックの原因

ブラックな医療現場

※写真はイメージです

 X(旧Twitter)で医師の転職活動について発信する麻酔科専攻医のりん先生は、医師の労働環境がブラックになる理由について「保険点数の少なさ」を挙げる。 「それぞれの医療行為には点数が決められており、1点の金額は医師のキャリアにかかわらず一律です。そのため、収益を上げるためにはとにかく速く数をこなすしかありません。こうした制度の抜本的改革がない限り、勤務形態は変わらないと思います」  誰かの命を救う医師の仕事は何よりも尊いが、自らの命より大事なものはない。
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「医師の働き方改革」で現場がよりブラック化!?
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