更新日:2024年03月27日 15:15
エンタメ

松井玲奈、“不倫妻”を演じ夫婦の在り方に感じたこと「会話がなくなったり興味がなくなったり…」

「自分が頑張ってきた証でもある」

松井玲奈――再共演というのは、お仕事を続けていたからこそ叶うことですね。 松井:そうなんです。現場に入って初めましての方がたくさんいらっしゃるのは刺激的ですが、また会えたというのも、自分が頑張ってきた証でもあるので、すごく嬉しいです。落合さんとは『ゴールド・ボーイ』の撮影のすぐ後にも『やわ男とカタ子』というドラマで共演しました。ご縁ってトントンと続くことがあって面白いです。再びのお仕事で言うと、今回の金子修介監督とは、AKB48時代のミュージックビデオ以来でした。 ――そうなんですね。 松井:10年ぶりくらいだったのですが、監督も覚えていてくださっていて、今度はちゃんとお芝居の現場でお会いできてすごく嬉しかったです。

「見る人によっていろいろ考えられる」

ゴールド・ボーイ

『ゴールド・ボーイ』(C) 2024 GOLD BOY

――本作『ゴールド・ボーイ』で松井さんの演じた妻の静は、昇に離婚を突きつけており、事故と処理された両親の死に疑念を抱いていました。昇が義理の両親を殺すに至った理由は、お金目当て、静との関係がうまくいかなくなったこと、どちらがきっかけだったと松井さんは思いましたか? 松井:どっちもだと思います。どのキャラクターも行動原理みたいなものは明言されていないんですよね。突き詰めていくと、個人が持っている欲の部分が浮き上がってくるのですが、観る人によっていろいろ考えられるのが楽しい作品だと思っています。「全部を説明してくれなかった」と言う人もいるかもしれないですが、私は観る方のことをすごく信頼している作品だと思いますし、そこが潔くて素晴らしいと感じました。 ――昇と静、彼ら夫婦の在り方をどう感じましたか? 松井:義理の両親を殺してしまうというのは普通ないことですが、会話がなくなったりお互いへの興味がなくなったりといったことは、普通の夫婦でもあることなんじゃないでしょうか。何がきっかけだったのか、多くは映画の中では語られなかったので、静に関しては自分で考えなければいけない部分も多かったですけれど、新しさを見つけるというより、よくある夫婦関係だけれど、その物語の中でどう自分なりに深めていくかが大切だろうと感じて演じていきました。
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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