「マイホームは消費増税後が買い」の意外な理由 専門家が最終ジャッジ
4月の消費増税を目前に控え、マイホームを駆け込み購入する人が急増。しかし、おそらく一生で一番高い買い物になるであろうマイホームの購入を、焦って決めていいのだろうか。それに異を唱えるのが“暮らしのジャーナリスト”高橋洋子氏。「増税後に購入したほうがお得な場合が多い」という。
高橋:消費税だけをみれば、明らかに増税前に買った方がお得です。3000万円の建物を買えば、消費税5%で150万円、8%なら240万円。増税後なら80万も多く税金を払わなければなりません。とはいえ、増税後の買い控えを想定して、4月1日から住宅ローン減税の枠が2倍に拡充、10万~30万円の現金支給をする「すまい給付金」も始まる。この2つの制度によって、「お金が戻ってくる」「現金が支給される」ため、4月1日以降に買うほうが、かえってお得というケースが出てくるわけです。年収と住宅ローン額、新築か中古か、どんな家を買うかによって異なるため、一概にどちらが損でどちらが得かは断言はできません。また、あまり知られていませんが、土地代と中古マンション・中古一戸建て(個人が所有するもの)には、消費税がかからない。消費税が5%であれ8%であれ、消費税はゼロ円で家が買えるんです。中古を視野に入れている人は、増税後も、また今後10%に上がるタイミングでも、慌てて駆けこまなくてもいいんですよ。
ちなみに増税前と後では、次のような差が生じる。年収400万円で2000万円のローンを組んだ場合、増税後の住宅ローン減税の拡充分は25万円、給付金は30万円と計55万もの恩恵がある。増税前に比べて9万円お得な計算になる。詳しくはみずほ総合研究所の試算(http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/today/rt131010.pdf)を参照されたし。それと、“恩恵”の度合いは条件によって異なってくるため、国土交通省のサイトでご確認いただきたい。
●「すまい給付金」について
⇒http://sumai-kyufu.jp/outline/sumaikyufu/index.html ●「住宅ローン減税」について
⇒http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/index.html 高橋:住宅ローン減税は、毎年の住宅ローン残高から1%を10年間、所得税から控除(所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税からも一部控除)できる制度です。これまではその限度額が最大200万円まででしたが、4月から最大400万円に拡充された(長期優良住宅や低炭素住宅の場合は500万円)。ただ、この制度では低所得者があまり恩恵を受けられないため、収入に応じて10万~30万円の現金を支給する「すまい給付金」が始まるというわけです。低所得者の場合は、新築よりも、消費税がかからない中古をおすすめします。中古なら、物件価格そのものを新築よりはるかに安く抑えることができますから。新築の場合は、企業の売上がかかっているため、さほど値下げ交渉ができませんが、中古物件の場合は、個人が所有している場合がほとんど。多少値下げしてでも「早く売ってしまいたい」との理由から、大幅な値下げ交渉ができます。たとえば、東京都北区で、3400万円の中古戸建てを半額の1700万で購入した猛者や、練馬区で980万円の庭付き中古戸建て、横浜市で100万円の中古戸建てを手に入れた者もいますよ。「一戸建ては高くてムリ」と思っている人も、中古なら案外、都心でも手頃な価格で手に入るんです。 「すまい給付金」で自分がいくらもらえるかは、下記からシミュレーションできる。 ●すまい給付金シュミレーション
⇒http://sumai-kyufu.jp/simulation/index.html 覚えておきたいのは、住宅ローン減税もすまい給付金も、どちらも自分で申請しないと適用されないということ。自分で申請書を書くのが難しければ、営業担当に聞いて教えてもらったり、税理士やFPに相談をするのもおすすめだ。また、リフォームが必要な中古住宅を買った場合でも、リフォーム費用をローンでまかなえば、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」という住宅ローン減税に似た制度を利用できることもお忘れなく。 首都圏の中古マンション価格は過去4か月連続で上昇(東京カンテイアイ調べ)。東京五輪決定が、さらに都心の価格上昇に拍車をかけている。中古市場活況の理由の一つに「リノベーション・ブーム」がある。中古物件を安価で購入し、中身を好きなようにリノベーションしても新築物件の購入と比べたらまだ安い。 高橋:確かにいまリノベーションは人気です。ですがその人気とともに、実はトラブルも増えているんです。リノベーションが難しいのは、「ビフォー・アフター」の「アフター」という「見えないもの」を買うから。見えないものを買うから難しいんです。そのため、事前にどのような家にしたいのかを、ありありと具体的にイメージしておくことが必要不可欠。たとえば、「オレンジ色の内装にしたい」といっても、黄色に近いオレンジなのか、茶色に近いオレンジなのか、素材感など様々。カタログやサンプルだけではイメージと違うこともあるため、認識違いがないように施主の依頼のしかたが、成功のカギを握ります。そして、目的に合わせて業者を選ぶこと。「北欧風のデザイン」にしたいなら、そのようなデザインが得意な業者に頼むこと。木造一戸建てで耐震工事を重視するなら、木造住宅の耐震工事の実績の多い業者に依頼するといった具合に。新築とは違って、中古リノベーションには「壊してから初めてわかる」ということも多々ある。たとえば、浴室の木の腐食が予想以上にひどく追加工事で2週間、よけいに時間がかかったケースもある。そのため、料金設定も注意するポイント。築年数が古い場合は、追加工事も予測して、追加料金をとらない定額制プランが安心です。24時間365日、電話相談可能なお客様サポートセンターがあるところなど、アフターフォローやメンテナンス面もチェックすべきでしょうね。 高橋氏は、「買い」のタイミングを「消費税が10%に上がる予定の平成27年10月の半年前頃にも駆け込み需要が予測されるため、今から来年春頃をめどに余裕をもって買うこと」という。いま焦って購入を考えている方はもう一度、いつ、どこに、何を買うべきか。新築なのか中古を買ってリノベするのか、考える時間はまだある! 【高橋洋子氏】 ’79年生まれ。暮らしのジャーナリスト。暮らし研究所「エメラルドホーム」代表として、家探しの基本から、中古住宅の価値向上とリノベーションの魅力を伝えるため講演・執筆・FP相談を行っている。
http://emeraldhome.sakura.ne.jp/index.php
⇒http://sumai-kyufu.jp/outline/sumaikyufu/index.html ●「住宅ローン減税」について
⇒http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/index.html 高橋:住宅ローン減税は、毎年の住宅ローン残高から1%を10年間、所得税から控除(所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税からも一部控除)できる制度です。これまではその限度額が最大200万円まででしたが、4月から最大400万円に拡充された(長期優良住宅や低炭素住宅の場合は500万円)。ただ、この制度では低所得者があまり恩恵を受けられないため、収入に応じて10万~30万円の現金を支給する「すまい給付金」が始まるというわけです。低所得者の場合は、新築よりも、消費税がかからない中古をおすすめします。中古なら、物件価格そのものを新築よりはるかに安く抑えることができますから。新築の場合は、企業の売上がかかっているため、さほど値下げ交渉ができませんが、中古物件の場合は、個人が所有している場合がほとんど。多少値下げしてでも「早く売ってしまいたい」との理由から、大幅な値下げ交渉ができます。たとえば、東京都北区で、3400万円の中古戸建てを半額の1700万で購入した猛者や、練馬区で980万円の庭付き中古戸建て、横浜市で100万円の中古戸建てを手に入れた者もいますよ。「一戸建ては高くてムリ」と思っている人も、中古なら案外、都心でも手頃な価格で手に入るんです。 「すまい給付金」で自分がいくらもらえるかは、下記からシミュレーションできる。 ●すまい給付金シュミレーション
⇒http://sumai-kyufu.jp/simulation/index.html 覚えておきたいのは、住宅ローン減税もすまい給付金も、どちらも自分で申請しないと適用されないということ。自分で申請書を書くのが難しければ、営業担当に聞いて教えてもらったり、税理士やFPに相談をするのもおすすめだ。また、リフォームが必要な中古住宅を買った場合でも、リフォーム費用をローンでまかなえば、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」という住宅ローン減税に似た制度を利用できることもお忘れなく。 首都圏の中古マンション価格は過去4か月連続で上昇(東京カンテイアイ調べ)。東京五輪決定が、さらに都心の価格上昇に拍車をかけている。中古市場活況の理由の一つに「リノベーション・ブーム」がある。中古物件を安価で購入し、中身を好きなようにリノベーションしても新築物件の購入と比べたらまだ安い。 高橋:確かにいまリノベーションは人気です。ですがその人気とともに、実はトラブルも増えているんです。リノベーションが難しいのは、「ビフォー・アフター」の「アフター」という「見えないもの」を買うから。見えないものを買うから難しいんです。そのため、事前にどのような家にしたいのかを、ありありと具体的にイメージしておくことが必要不可欠。たとえば、「オレンジ色の内装にしたい」といっても、黄色に近いオレンジなのか、茶色に近いオレンジなのか、素材感など様々。カタログやサンプルだけではイメージと違うこともあるため、認識違いがないように施主の依頼のしかたが、成功のカギを握ります。そして、目的に合わせて業者を選ぶこと。「北欧風のデザイン」にしたいなら、そのようなデザインが得意な業者に頼むこと。木造一戸建てで耐震工事を重視するなら、木造住宅の耐震工事の実績の多い業者に依頼するといった具合に。新築とは違って、中古リノベーションには「壊してから初めてわかる」ということも多々ある。たとえば、浴室の木の腐食が予想以上にひどく追加工事で2週間、よけいに時間がかかったケースもある。そのため、料金設定も注意するポイント。築年数が古い場合は、追加工事も予測して、追加料金をとらない定額制プランが安心です。24時間365日、電話相談可能なお客様サポートセンターがあるところなど、アフターフォローやメンテナンス面もチェックすべきでしょうね。 高橋氏は、「買い」のタイミングを「消費税が10%に上がる予定の平成27年10月の半年前頃にも駆け込み需要が予測されるため、今から来年春頃をめどに余裕をもって買うこと」という。いま焦って購入を考えている方はもう一度、いつ、どこに、何を買うべきか。新築なのか中古を買ってリノベするのか、考える時間はまだある! 【高橋洋子氏】 ’79年生まれ。暮らしのジャーナリスト。暮らし研究所「エメラルドホーム」代表として、家探しの基本から、中古住宅の価値向上とリノベーションの魅力を伝えるため講演・執筆・FP相談を行っている。
http://emeraldhome.sakura.ne.jp/index.php
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