女性記者が体験!日本一の緊縛師の華麗なる「縄さばき」にメロメロ
明日、わたしは緊縛される――そう思うと前夜、一睡もできなかった。『トクボウ 警察庁特殊防犯課』の演出家・植田尚氏にドラマの制作秘話を聞きつつ、ドラマで緊縛指導をした日本一の緊縛師・有末剛氏に緊縛してもらう……。
人気漫画『トクボウ 朝倉草平』の実写版がドラマ化。伊原剛志演じる警視・朝倉草平が、法で裁けない悪人を緊縛プレイでドSな“お仕置き”をする。食品偽装、ブラック企業、脱法薬物など、誰しもが憤りを感じている社会問題を、主人公が滅多切りに解決していく様は実に爽快だ。
それにしても、なぜ緊縛? 演出した植田氏曰く、「実際には逮捕できないから、縛っちゃうんですよ(笑)」……なるほど。
「主人公の朝倉が悪い奴を改心させる。でもそれで世の中が変わるのかと言ったら、変わらないんですよね。また悪い奴は出てくるし、新たな悪の手法は出てくる。世の中の悪はなくならないんです。実社会でもそうだし、ドラマの中でもそうなんですよ。だから主人公の朝倉は、『死にたい』が口癖なんです。やっつけてもやっつけても、悪はなくならない。そういう無常観を感じているんですよね」(植田氏)
主人公の口癖と言えばもう一つ、『害虫』。「悪って大きなものだけど、表立って出てこないじゃないですか。害虫も、害なんだけど寄生して徐々に蝕んでいく。目に見えないんだけど、大きな悪なんですよね。そこが人間社会と似ているなと思います」と植田氏。……深い。この深みを知らずに「コメディですよね」と言ってしまった自分、浅すぎる……。
◆80%の未体験女性に入り口を開く
そしてドラマの目玉となるのが緊縛だ。映画『花と蛇』を始め、数々の映画や写真集などの監修を手掛ける日本一の緊縛師・有末剛氏が緊縛シーンを監修した。緊縛とはどういったものなのか? 有末氏に聞いた。「女性の10%は緊縛が大好きで、10%は緊縛なんて身の毛がよだつくらい嫌い。残りの80%の女性は、緊縛という行為を知ってはいるけれど、体験したことはないんです。そういう女性に向けて入口を開くと、『こういうの、されてみたいかも』となるんですよね。今回のドラマとか映画とか、そのきっかけになると思います。まずは気づくことですね」
主演の伊原剛志が撮影の合間、ずっと口にしていたという有末氏の名言。それは、「緊縛とは抱きしめること」。……抱きしめる? 緊縛って、痛いのでは?「縛るというよりも、肌に縄を置いてあげる、という感覚なんです。女性って、強く抱きしめられたいじゃないですか。縄は手の延長みたいなものです。抱きしめる感じで縛るんですよ。それは体感すると分かると思います」
……ということで、縛られてみました。
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……抱きしめられた気がした。
縛られながら、優しく「痛くない?」「ここ大丈夫?」「もう少しイケる?」と言葉ぜ……否、声を掛けられ、なんだか包み込まれるような気持ちになったのだ。あまりの緊張で肉体的な快感を感じる余裕はなかったものの、まさに未知との遭遇。こんな世界があるなんて! 緊縛によって得られる精神的な快楽は、おそらく経験した者にしか分からない。
パートナーがいる人は、是非とも試してほしい。緊縛をする際の注意点を聞いた。「安全面が一番大事です。『こうしてはダメ』という基本的なことは覚えておくこと。映像を見て『こんなこと出来るんだ』と思って、一対一で吊り上げたりすると危険です。自己流じゃなくて、ちゃんと指導者に付いて学んだ方がいいですね。それと、気持ち良さの度合いは人によって違います。そこは相手とのコミュニケーションで進めていかないといけません。つまり嗜好の探り合いなんです」
緊縛ドラマも緊縛の世界も、奥が深い。
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(C)高橋秀武/集英社・読売テレビ
<取材・文/尾崎ムギ子>
●有末剛 HP:http://arisuego.com/
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
『トクボウ 警察庁特殊防犯課 DVD-BOX』 この世は、害虫で満ちあふれている… |
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