スコットランド独立否決で、イギリスのネットも大荒れ
スコットランドの分離独立の是非を問う歴史的国民投票が行われた。もし独立すればイギリスはもちろん、世界の政治的・経済的パワーバランスが大きく変化するということで大きく注目を集めた。結果は僅差で独立反対派の票が上回ったが、国が賛否両論真っ二つに別れた選挙当日は、スコットランド史上最も長い一日と言えるだろう。
◆反対派の順調な滑り出しに英国人は大興奮
投票率が80%を超えるなど、歴史に残る選挙で先手を取ったのは反対派。最初の地域が開票され反対派が上回ると、SNSやニュースサイトのコメント欄には悲喜こもごも様々な声が溢れた。
「もう1万9千人以上の人間が自分たちでやっていけないと思ってる。まったく最悪に悲しいよ」(賛成派)
「わざわざ票を数える必要もないよ。『糞喰らえサルモンド(分離独立を主張する行政府首相)』の人文字を作って航空写真を撮ればいい話だ」(反対派)
「スコットランドのキンタマは縮み上がって、結局ピーナッツみてえな女々しいタマがついてるってオチだったな」(英国側)
その後、グラスゴーなどの大都市で賛成派が上回るとスコットランドや英国のネット世論はさらにヒートアップ。また、なかなか決着がつかないことから、早々にリタイヤするものも……。
「俺たちの連合はアメリカって国ができる前からあるのに、いちいちコメントしに来やがって! お前らはネイティブ・アメリカンと連合を組んだり、独立させたりしなかっただろ」(反対派)
「俺たちは『ブレイブハート』(スコットランドの英雄がイングランドと戦う映画)の国じゃなかったのか? どうやら独立は誰にとっても憧れってわけじゃないみたいだな……」(賛成派)
「“良い方”が勝ってくれればいいよ。俺はもう寝る…」(賛否不明)
ある意味、「投票はするが、なるようになればいい」というのもスコットランド人の本音だったのかもしれない。賛否がほぼ半々に別れたことからも、どちらに投票した人間も苦渋の決断だったことが伺えた。
◆賛成派のなかには怒りが収まらないものも
最後まで熾烈を極めた激戦だが、やがて反対派の過半数が報じられるとホッとしたようなコメントや、互いの健闘を讃え合う意見が多く見られた。しかし、賛成派のなかには、僅差での敗戦に納得のいかないものも。
「まったく(反対派が上回った)エジンバラは恥だよ。恥」
「もう“賛成に投票しよう”のハッシュタグをつけてつぶやくのは最後だ。恥を知れスコットランド人め」
「(現段階で)54%のスコットランド人は裏切り者だ!! もう二度とスコットランド人だって名乗らないでほしい。奴らはイギリス人だ!」
英国との関係はもちろん、スコットランド国内にも大きな亀裂が入った今回の選挙。「“今回は”ダメだっただけ」と、今後も独立を目指していくことを示唆するコメントも見られるなど、まだまだ混乱は収まりそうにない。
<取材・文/林バウツキ泰人>
●参照元: Yahoo!UK https://uk.news.yahoo.com/polls-close-historic-scottish-referendum-210227509.html#6mG55JQ
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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