松本人志と大森南朋の「父親との強烈な思い出」
松本人志最新監督作『R100』のキャッチコピーは「父はM。」。ある事情により、息子と2人で暮らす主人公の男はMであるがゆえに、謎のクラブに入会してしまう。以後、ボンデージに身を包んだ美女たちが、男の日常に現れ未知の世界へと誘い込む。だが、その内容は次第にエスカレートしていき……てな“あらすじ”なのだが、監督が「メチャクチャな映画を撮りたかった」と語るように、ほかでは味わえない独自の世界観が繰り広げられていく。
そんな映画で「今回は緊張感のある、芝居のうまい役者が必要だった」と松本監督が主演に起用したのは大森南朋。映画では父が息子に与える影響も描かれているが、2人に父親との思い出を聞いてみたところ、強烈なエピソードが飛び出した。
まず、松本監督は子供の頃、実の父親に捨てられそうになったそうで……。
「暑い日に父親が『涼みに行くぞ』言うて、カブに乗せられて。夜なのに遠くまで行って、カブから降ろされたらそのまま親父が離れて行こう、離れて行こうとして。『ああ、これたぶん、捨てられるんやなぁ』と思って、親父から必死で離れないようにして」(松本氏)
このエピソードに呼応して、大森氏も「僕の父親(舞踏家の麿赤兒氏)もちょっと変わっていたかもしれません」と次のような話をしてくれた。
「子供の頃に喫茶店で会うと『噛め!』って言うんです。父が自分の腕をガッと突き出してきて。仕方がないから遠慮して噛むと『もっと全力で噛め!』って。全力で噛んでいると前傾姿勢になるから、父の目の前に僕の頭がきますよね。そうすると、父が僕の首筋をなぜかいきなり噛むんです。その頃、うちは両親が既に別居していて、母が父から生活費を受け取りにその喫茶店に行っていたと思うんです。だからまぁ、久しぶりに息子と会ったからコミュニケーションをとりたかったのかなぁ、と今では思うんですけど」
なんとも不思議な親子関係。松本氏も「あんな変わった人に育てられないと、僕みたいなもんは育たないのかなと思いますけどね」と笑っていたのであった。
※9/24発売の週刊SPA!「エッジな人々」より
<本誌構成/唐澤和也 撮影/植松千波 再構成/SPA!編集部>
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