第379回

8月30日「パンドラの筺、開く」

・KOBO CAFEについて、講談社BOXの雑誌『パンドラ』の次号で、ちょっと変わった形でフィーチャーしてもらえることになった。あの空間の実体を初めてきちんと明かす記事になりそう。カフェを支えて下さっている作家の皆様からの協力も頂けるそうだ。ありがたい。

・もちろん僕もかりかり書いている。10月頭には出るらしい。

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9月9日「ARGとしての小説」

・「ユビキタスエンターテイメント事業創造コンソーシアム」に招かれて講演。慶應大・武山政直教授の研究室と民間企業との産学連携で、ARG(代替現実ゲーム)をテーマにした研究会らしい。こういう動きが始まっているんですね。

・ARGについては前にちょっと書いたけど、ネットをはじめとしたインフラ上に情報を出し続けることにより、現実世界をゲーム空間にしてしまうエンターテイメント手法だ。僕の小説『iKILL/ iKILL2.0』等の仕掛けがARG的であるということで呼んで下さったようだ。自分の作品を新しいフレームで捉え直す良い機会になった。

・受講者は武山先生のところの学生さんが多いと思っていたら、有名企業や大手代理店の、プロデューサーの立場の方々がずらり列席していて驚いた。質疑応答では、ビジネスモデルについての話がメインになった。コンテンツの主体をデジタル化してネットに載せる以上、収益方法は全くパラダイムを変えて設定する必要がある。そこで「投げ銭」や「お布施」のような概念を真面目に考える必要がある、というようなことから、バーチャルでありリアルであり、結果、聖地としての存在感を持つに至っている「中野ブロードウェイ」という場所の価値についての話に。

9月10日「動画時代のインディーズ戦略」

・やずや・やずや氏@「ゼロアカ道場」による渡辺インタビューの動画が、ユーチューブに上がってるよ。渡辺の映像は1992年の「聖PCハイスクール」以来だし(?)、KOBO CAFEの動画って、本邦初公開かも。

・もちろんこれはほんの一部分で、フルバージョンは同人誌に掲載して頂けるわけだ。面白いですね、こういう戦略。やずやさんのブログを要チェックのこと。
http://d.hatena.ne.jp/yazunami

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。