今年で『週刊SPA!』が30周年を迎える。そこで本誌の誕生と共に産声をあげた「奇跡の30歳を探せ」という指令が下されたわけだが、30歳といえば、若さばかりがウリのキャストとは異なり、それなりの人生経験からアジや深みが増してくる頃。第1回を任命された新米記者のタマゴ。さて、どうしたものか。
とりあえず、渋谷でも行ってみるかな……実は某ギャル雑誌の編集者だった僕は、毎晩パリピたちのお尻を追っかけながら夜遊び事情を探ってきた。とはいえ、気づけば自分も34歳。爆音のCLUBや肩肘張るようなキャバクラからは足が遠のきつつもある。新米記者らしからず、すっかりおじさん世代の仲間入りしてしまっているわけだが、若者の街・渋谷で、奇跡の30歳とゆっくり楽しめる店はないものか……。
渋谷にも安く飲める“スナック”が存在!
渋谷のスクランブル交差点が苦手という人も少なくないと思うが、今風のファッションに身を包んだ若者たちを横目に、やってきたのはマークシティ横の路地裏。スナックとラウンジの中間的な「ROOP」という店だ。出迎えてくれたのは、ママのかおりさんとチーママのありささん。ともに’88年生まれ、今年で30歳。
「こないだ40代の常連のお客さんに『奇跡の30歳』として出演することを話したら笑われちゃったんですよ~」(かおり)そんなかおりさんはマルキュー店員だった時代があるらしい。当時、タマゴと顔ぐらい合わせていたかも? ともあれ、総じて客層が若い渋谷の飲食店のなかでも常連客は40代が多いという。
ありささんは競馬が好きで、ギャンブルの話題で盛り上がることもあるそうだ。おじさんの扱いはお手のものといったところか。同店がオープンしたのは3年半前だったという。30歳を目前に控えて一念発起!
「もともと2人とも渋谷でキャバ嬢をやっていたんです。でも将来どうするのか考えるようになって。ノリと勢いですが自分で店をやることに決めました」(かおり)
「この街の女のコは、だいたい26~27歳ぐらいが分岐点。銀座に移ったり、昼職を始めたり、結婚したり。辞めちゃう人も多いけど、やっぱり渋谷に長くいるから愛着もあるんです」(ありさ)
かつて在籍していたキャバクラの店名を聞けば、若かりし日のタマゴが徹夜仕事を抜け出して足を運んだ記憶が思い起される。
そんな思い出に目を細めつつも、実はこれまでスナックの内輪ノリが苦手で、避けていた部分もある。同店は30歳コンビが切り盛りするスナックだけあって、キャストは20代半ばが中心だが、「お客さんの空気を読んで、無理に絡んだりはしない」という。だからこそ、すんなりと打ち解けられた。若者の街・渋谷の“大人の一面”を覗くことのできた夜であった。
【ガールズラウンジ渋谷 ROOP】住:東京都渋谷区道玄坂1-7-10 新大宗ソシアルビル5F
電:03-5784-0177
営:20時~LAST
休:日・祝日
料:ボトル各種6000円~時間無制限 ※初回のみ1時間4000円でハウスボトル飲み放題(税サ別)
撮影/長谷英史
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マエザワ エロ本出版社出身、元ギャル男雑誌編集者。無類の外国人好き。趣味は「夜の国際交流」
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