現役のアイドルと会える→飲めるへ…新宿・歌舞伎町の“飲みドル”スナック

 夢を持つ若者たちはいつだって輝いて見えるものだ。僕は幼い頃、ヒーローになりたかった。しかし現実はそうもいかず、社会の歯車としてあくせくと働く毎日。

 アイドルブームと呼ばれて久しいが、その陰には彼女たちを応援するおじさんたちの存在がある。かつてティーン誌で編集者をしていた僕。そのやりがいと言えば、若者たちが夢を叶える手助けをすることだった。自分が発掘し育てた読者モデルが有名になり、アパレルブランドを立ち上げたり、大きなクライアントの広告に起用されたり、テレビに出演したり。

 だから、アイドルにハマるおじさんたちの気持ちも大体わかる。アイドルが持つ夢は、おじさんたちが果たせなかった青春の残滓でもあり、希望の光なのだ……。

 場所は歌舞伎町。現役の地下アイドルたちを応援しながら、一緒に飲めるスナックがあるらしい。

お酒を飲むことが活動資金につながる

DMA-PH-04 やってきたのは“飲みドル”として活動する「エイトカンパニー」がプロデュースする店だ。普段はライブやラジオ出演する傍ら、メンバーが日替わりで出勤。扉を開けると、セクシーなミニスカOLの衣装で出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ~」

 自身も現役アイドルでありながら、ママとしてスナックを切り盛りするのはセクシー社長こと倉本あやちゃん。

店員は皆、現役アイドル

前列が倉本あやちゃん。後列左から、魁桃ちゃん、田邉絵莉ちゃん、アスカピアスちゃん、田中らいらちゃん。店員は皆、現役アイドル

「私たちがアイドルとして活動できるのも、お客さんが飲みに来てくれるおかげなんです」

 店内は多くのファンで賑わっている。なかには毎回ライブを見に行き、そのまま飲みに来るという人も。壁にはファンが描いたメンバーの似顔絵なども飾られており、「俺が一緒になってこのコをメジャーに!」というファンの並々ならぬ気概が感じられた。

 実際のところ、一部のメジャーなアイドルを除き、多くの女のコが副業やアルバイトをしなければ食べていけない現実があることは周知の事実。それならば、と倉本ママがオープンさせたのが同店だという。要するに、スナックで稼いだお金が、アイドル活動の資金となるらしい。それならば……。

「飲むしか~ないないな~い♪」

飲みドル

飲みドルのメンバーが日替わりで出勤。店を盛り上げる

 彼女たちのオリジナル曲の歌詞だというコールに煽られつつも乾杯。お酒が進むにつれて、気になるのは彼女たちの夢だ。

人生楽しまなきゃそん! 飲むしかないないな~い♪

カラオケ

カラオケでオリジナル曲を披露してもらったり、即席の握手会をしてもらったり、アイドルならではの楽しみ方ができる。

「名曲を残したい!」(アスカ)

「東京アイドルフェスティバルに出たい!」(魁&田邉)

「キングオブコントに出場して優勝すること!」(田中)

ぴくにっ区

アイドルユニット「ぴくにっ区」としても活動中の2人

 ここらへんはいわゆる地下アイドルの定番の夢だが、気になったのは倉本ママのこんな夢。

「東京ドームで飲み会ライブをすること。会場にテキーラの雨を降らせたい!」(倉本)

DMA-PH-06 いつの日か彼女たちがブレイクし、もっと大きな舞台でドンチャン騒ぎができれば何よりだ。とはいえ内心、遠くには行かないでね……そんな気持ちもありつつ、テキーラを飲み干すタマゴでした。

うこんゼリー

メンバーの写真がパッケージにプリントされた「うこんゼリー」も購入可能だ

DMA-PH-08【飲みドル∞スナック】
住 東京都新宿区歌舞伎町2-28-16 サチビル4階
電 03-6205-9847
営 【一部】20:00~24:00/【二部】24:00~ラスト
休 不定休
料 初回のみ1時間4000円、以降5000円(飲み放題)

撮影/長谷英史

マエザワ エロ本出版社出身、元ギャル男雑誌編集者。無類の外国人好き。趣味は「夜の国際交流」
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