春は別れと出会いの季節。仕事仲間の送別会の幹事を仰せつかったものの、どうすべきか。懐寂しい中年同士、財布の紐は締めておきたいが、貧乏くさい宴会では遠い異国の地に「島流し」になる同輩に恨まれる。思い悩んでいると、夜遊びガイドのO氏から電話が……。
「それなら、ゆっくりとご飯を食べながら、美人ちゃんのショーが観られる店がありますよ!」
さっそく下見に、氏と向かったのは六本木。最近、ショーパブ激戦地として知られており、少々下り坂にあると言われる、インバウンド需要のなかで、まったく衰えを知らない街だ。
炊きたてご飯を肴に美女の踊りを愛でる
六本木通り沿い。すぐ隣にド派手な商いで知られる、某有名寿司店の看板を眺めつつ、エレベーターに乗って降りると、負けず劣らずド派手な店が。遊郭をイメージしたという内観は、赤を中心に紫、金色とド派手。天井から吊り下げられた色とりどりの傘や、金色銀色に光るソファ。オリジナリティ溢れる壁のデザインは、外国人ならずとも楽しめるだろう。
「いらっしゃいませ~」。席につくやいなや、胸元がぐっと開いた衣装を身にまとった舞凛ちゃんからシステム等の説明を受ける。
酒池肉林の竜宮城にいらっしゃいませ~
「おすすめは、炊きたてのご飯と小鉢3品、2時間の飲み放題がついて5000円のセットです!」思わずのけぞる俺。六本木のショーパブなら、この値段でドリンク別が相場。どんなからくりが?
さっそく現れたのは、なんとオカマ、いや正真正銘の美女が「お釜」を持ってくると、火をつけるではないか。そして、47都道府県から取り寄せた名産から好みのものを3つ選べる小鉢がやってきた。「北海道の塩辛、岡山の焼きままかり、千葉県産のひじき明太です」
“親父殺し”といっていい小鉢のラインナップは日本酒が恋しくなる。そうこうしていると、お釜からは湯気が沸き昇り、たちまち甘い匂いがショーパブに充満する。
豪華絢爛、そして妖艶な花魁ショー
「メシ食っちゃっていいのだろうか……」という罪悪感は蓋を開けるや吹き飛んだ。ピカピカのご飯を手際よくよそう舞凛ちゃん。ド派手なネイルと茶碗のコントラストたるや。おっさん2人でおかずの小鉢を交換しては、ホクホクしていると場内は暗転。売りである、花魁ショーが始まった。
きらびやかな衣装を身にまとった女のコたちが和風にアレンジしたロックに乗せて、おしとやかに踊る。さっきまでメシの世話をしてくれた女のコたちが舞っている。花魁かと思いきや、一転、着物を脱ぎ捨てると、セクシーなダンスが始まった。飲食を忘れ、ショーに没入する俺たち。ここは龍宮城か?
さっそくチップを買い求め、席に挨拶にやってくる乙姫たちの胸元に滑り込ませる。
【神楽Tokyo】
住:港区六本木3−10−10 藤井ビル7F
電:03−6812−9332
営:20時~翌4時
休:日・祝
料:90分4000円~(ワンドリンク制)
ショーは21時から一日3回。食事付きなど各種プランあり(要予約、当日の予約は19時まで)
協力/O氏(夜遊びガイド)撮影/渡辺秀之
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苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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